2011年8月4日木曜日

アブラゼミ Graptopsaltria nigrofuscata

7月30日
今年もセミの季節となった。新聞には春先の低温の影響かセミの出現が遅れ気味とあったが、実際のところどうだったのだろう。震災の影響?大地震の前触れ?なんていう意見も聞くが・・。僕にはよくわからない。
我が東京農工大農学部でのセミの初鳴日は、アブラゼミ7月1日、ニイニイゼミ7月4日、ヒグラシ7月15日ごろ、ミンミンゼミとツクツクボウシが7月25日であった。ただし、休日を挟んだ日に確認していることが多く、正確ではない。また1日のアブラゼミは単独で鳴いており、実際に発生が始まったのはそれから10日後という感じ。フライングで羽化してしまったのかもしれない。セミの寿命はあまり長くないと聞くが、彼(鳴いていたから♂である)はうまく相手を見つけることが出来たのだろうか。心配である。
ちなみに昨年のアブラゼミとツクツクボウシは、それぞれ7月8日と7月27日であった。数値上は初鳴日の遅れは見られないが、確かに大合唱となるまでには少し時間がかかった気がする。


ところで愛犬と自宅近くの川沿いを散歩していたら、木の幹をのぼるアブラセミの幼虫を見つけた。せっかくなので家に持ち帰りカーテンに付け、羽化の様子を観察することにした。


1、足場を固定
2、成虫の頭が出てくる。
3、足がしだいに出てくる。
4、腹を残し、殻からぶら下がる。
5、起き上って殻につかまる。

6、腹の先を殻から外す。

7、翅を伸ばしていく。

8、ほぼ翅が伸び終わる。

9、翅に色が付いてくる。











羽化が始まり、翅が伸びきるまでにかかった時間は40分ほど。翅が完全に色づくのにはかなり時間がかかるようで、翌朝逃がした時点でもまだ野外で見かけるものより色が薄かった。日光を浴びないと色が濃くならないのだろうか。

僕がはじめてセミの羽化を見たのは幼稚園生の時である。羽化の様子をまじまじと見つめている自分がアルバム写真に写っていた。最近までセミの羽化を見られるのは珍しいと思っていたが、我が家でイヌを飼い始めて散歩するようになり、日没後すぐにたくさん現れることを知った。まあ考えてみれば昼間あれだけ多くのセミが鳴いているのだから、幼虫がたくさんいるのも当たり前のことである。
ごく普通種のアブラゼミ。しかし彼らの羽化シーンは素晴らしく美しい。こんな素晴らしい生き物が身近にいることを僕は幸せに思う。皆さんも夕方に木をのぼるセミの幼虫を探してみませんか。

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