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2022年1月3日月曜日

2021年7月 昆虫、動物の記録

7月4日 エゴノネコアシ

エゴノネコアシアブラムシ Ceratovacuna nekoashi がエゴノキ Styrax japonica に形成する虫えい。(倉敷市にて)

7月13日 クマゼミ
Cryptotympana facialis

通勤の途中で見つけた個体。岡山は西日本らしく、クマゼミがとても多い。(倉敷市にて)

7月15日 クスノキ Cinnamomum camphora のダニ室

職場前に植えられたクスノキの葉。写真ではうまく撮れなかったが、中にフシダニと思われる細長いダニがいた。(倉敷市にて)

トビイロケアリ?
Lasius japonicus ?

ハナスベリヒユ Portulaca umbraticola cv. に訪花していた。(倉敷市にて)

7月16日 ニイニイゼミ
Platypleura kaempferi

市街地ではクマゼミが優勢だが、ニイニイゼミの個体数もそれなりに多い。(倉敷市にて)

7月19日 スズメ Passer montanus の砂浴び跡

倉敷美観地区の植え込みにて。数羽が砂浴びをしていた。(倉敷市にて)

7月22日 トノサマガエル
Pelophylax nigromaculatus

山間の湿地で見つけた。トノサマガエルは警戒心が強く跳躍力も高いので、なかなか近くで観察できないが、この個体は近くに寄っても逃げなかった。(総社市にて)
セマダラコガネ
Anomala orientalis

ミヤマヨメナ Aster savatieri の上にいた個体。(総社市にて)

ウメモドキ Ilex serrata の黒紋病?
Rhytisma prini ?

子嚢菌に属する。ウメモドキと同属のアオハダでも同じような病変を見た。(総社市にて)


オオモンクロクモバチ(オオモンクロベッコウ)
Anoplius samariensis

獲物のクモ(コアシダカグモ?)を運んでいた。(総社市にて)

オオスジコガネ
Mimela costata

舗装路の上を歩いていた。(総社市にて)

ヤマトタマムシ
Chrysochroa fulgidissima

翅が落ちていた。(岡山市北区にて)

コアシダカグモ
Sinopoda forcipata

常緑樹林の歩道で見つけた。ゆっくりと近づいて撮影。(岡山市北区にて)

7月24日 ヒガシキリギリス?
Gagmpsocles mikado ?

堂々としたメス成虫。ため池の柵の杭にいた。近年、キリギリス Gagmpsocles buergeri 1種と扱われていたものをヒガシキリギリス G. mikado とニシキリギリス G. buergeri に分ける見解が主流になっている。佐伯(2012)によると岡山にはヒガシキリギリスが分布するようなので、ひとまず本種とみなした。しかし、図鑑等に両者の識別は確実なものではなく、分類学的位置づけは未だに検討を要するらしい。(総社市にて)

参考:佐伯英人 2012. ニシキリギリスとヒガシキリギリスの識別点の検討. 愛媛県総合科学博物館研究報告, 17: 5-17.

スジエビ
Palaemon paucidens

ため池内を遊泳していた個体。体の模様や白い触角から本種と判断。(総社市にて)

キアゲハ
Papilio machaon

エゾミソハギ Lythrum salicaria に訪花。(総社市にて)

ウバタマムシ
Chalcophora japonica japonica

アカマツの下に落ちていた。(総社市にて)

アリバチの一種
Mutillidae sp.

体長5mmくらいの種類。(総社市にて)

ワキグロサツマノミダマシ
Neoscona mellotteei

ケネザサ Pleioblastus variegatus の葉上で休息していた。(総社市にて)

エントツドロバチ(オオカバフスジドロバチ)
Orancistrocerus drewseni

窓の縦枠に営巣していた。施設の方が窓を開けてくださり、よく観察することができた。(総社市にて)

7月26日 カメムシの仲間の幼虫

はげ山の草上についていた。(瀬戸内市にて)

ニホンジカ Cervus nippon の糞

はげ山にて。岡山県東部はニホンジカの個体密度が高く、植生が貧化している場所が多い。(瀬戸内市にて)

ツノトンボ
Hybris subjacens

はげ山の低木林内をヒラヒラ飛んでいた。(瀬戸内市にて)

フキバッタ属の一種
Parapodisma sp.

標高400mくらいの山道沿いで見つけた。ヤマトフキバッタかキビフキバッタか?(赤磐市にて)




2021年12月31日金曜日

2021年6月 昆虫、動物の記録


6月2日 ヤマナメクジ 
Meghimatium fruhstorferi

テレビ局の取材中に見つけた個体。鶴形山の陰湿な石垣を這っていた。僕はナメクジが大の苦手だが、記者さん曰く「虫よりはナメクジの方が大丈夫」とのこと。(倉敷市にて)

6月9日 ツマグロヒョウモン 
Argyreus hyperbius

終齢幼虫。職場近くのパンジーに付いていた。持ち帰った直後に蛹になった。(倉敷市にて)

キイロトラカミキリ 
Demonax notabilis

職場の外壁に止まっていた。昆虫担当の方に提供。(倉敷市にて)

クロゴキブリ 
Periplaneta fuliginosa

家に出た。幼虫は一度も見ていないので、外から侵入したのだと思う。捕獲し、退室いただいた。(倉敷市にて)

アザミウマの仲間 
Thysanoptera sp.

家の栽培植物に発生。写真は幼虫。詳しい種類は未確認だが、成虫は黒っぽい。我が家ではアブラムシやハダニと並んで厄介な害虫。(倉敷市にて)

6月17日 カノコガ 
Amata fortunei

職場の外壁に複数個体が止まっていた。(倉敷市にて)

6月18日 ツマグロヒョウモン 
Argyreus hyperbius

先に紹介した、6月9日に見つけた幼虫が羽化。蛹期間はわずか9日だった。(倉敷市にて)

6月20日 オオコフキコガネ 
Melolontha frater 
の雌雄

実家(神奈川の沿海地)でよく見かける虫だが、倉敷にもいた。特に好きな昆虫の一つ。(倉敷市)

6月22日 ヒヨドリ 
Hypsipetes amaurotis

職場の前のヤマモモ Myrica rubra の実を食べに来た。(倉敷市にて)

スズメ 
Passer montanus

ヒヨドリと同じくヤマモモの実を食べに来たようだ。(倉敷市にて)

シオヤアブ 
Promachus yesonicus

向山の草地にて交尾中の雌雄を見つけた。(倉敷市にて)

ヒカゲチョウ 
Lethe sicelis

アベマキ Quercus variabilis の樹液にやってきていた。(倉敷市にて)

コアオハナムグリ 
Oxycetonia jucunda

鶴形山のクチナシ Gardenia jasminoides に訪花していた。頭に花粉が付いている。(倉敷市にて)

6月24日 ニホンアマガエル 
Hyla japonica

チトセカズラ Gardneria multiflora の葉上にいた個体。大きさ的に今年上陸した個体だろうか。(井原市にて)

ツガカレハ? 
Dendrolimus superans ?

モミ Abies firma の下に落ちていた。食餌植物と見た目から判断するとツガカレハと思われる。

ガムシ 
Hydrophilus acuminatus

高梁川沿いの滝近くにて。灯火に飛来した個体か?(新見市にて)

ヤマカガシ 
Rhabdophis tigrinus

水田近くの斜面にいた。(総社市にて)

6月28日 ラミーカミキリ 
Paraglenea fortunei

沿海地の路傍のカラムシ Boehmeria nivea var. concolor についていた。(浅口市にて)

フナムシ 
Ligia exotica

岩石海岸にて。大型の個体で、背中の青い斑点が綺麗だった。もしかするとキタフナムシかもしれない。(浅口市にて)

ヤブキリ 
Tettigonia orientalis

砂浜で見つけた個体。(浅口市にて)

タマキビ 
Littorina brevicula

岩石海岸の潮間帯直上にて。(浅口市にて)

2018年12月21日金曜日

6月 津波跡地の湿地にて(宮城県気仙沼市)

6月下旬

植物調査の手伝いで宮城県気仙沼市の湿地を訪れた。ここは海岸の至近に位置し、2011年3月の津波を被っている。
震災後、防潮堤設置などの工事が気仙沼でも例外なく行われているが、この湿地は地主の方の尽力により守られており、動物相などに関する調査・研究の舞台にもなっている。

湿地は海と接してはいないが、潮が満ちると隣の川(土管で湿地と連絡している)から塩水が流れ込み、水位が変化する。
淡水から塩水、陸域から水域。異なる環境が連続的に存在するこの場所では、様々な生物が生息している。

環境の連続性を象徴するように、塩性湿地から淡水湿地にかけての植生の移り変わりが見られる。

最も内陸側の、淡水の流路沿いには、カサスゲCarex dispalata Boottを主体とする植物群落が発達する。
昆虫や両生類などが多いエリアでもある。

ヒメヨツバムグラGalium gracilens (A.Gray) Makino
(アカネ科)

オオカワズスゲCarex stipata Muhl. ex Willd.
(カヤツリグサ科)

タニヘゴDryopteris tokyoensis (Makino) C.Chr.
(オシダ科)

谷津などの湿地に多い大型シダ。種小名が示すように、基準産地は東京だが、東京では絶滅している。東北などでは今でも比較的多いが、関東以西の都府県では絶滅危惧等の扱いになっていることが多い。

アカハライモリCynops pyrrhogaster (Boie, 1826)
(イモリ科)

ヒメギス?

イトトンボの仲間(確認中)

ホソミオツネントンボ?

流路を除く大半の場所では、やや乾いた場所から浅水中に至るまで、ヨシ群落が広がっている。

浅水中では写真中央に写る、フトイSchoenoplectus tabernaemontani (C.C.Gmel.) Pallaなどが混生している。

海水の影響を受ける水際では、塩生植物(塩分濃度の高い立地でも生育できる植物)で構成される植物群落が広がっている。

写真中で最も目立つのはタチドジョウツナギPuccinellia nipponica Ohwi(イネ科)。

タチドジョウツナギは宮城県では絶滅危惧種等に指定されていないものの、分布域が東北地方太平洋側に限られており、本地域の塩性湿地を特徴づける存在と言える。
福島県などでは震災後に新たな生育地も発見されており、津波による攪乱が本種に適した環境を作ったのかもしれない。

熟した果実は花序から容易に外れ、水面を漂う。そのまま潮の流れに乗れば、新たな生育地へ向けて旅することになる。

アキノミチヤナギPolygonum polyneuron Franch. et Sav.
(タデ科)

本種も塩性湿地に特徴的な植物。

ナガミノオニシバZoysia sinica Hance var. nipponica Ohwi
(イネ科)

塩性湿地に生えるシバの仲間。
岩手県以南に分布。

これらの他に、ハマゼリ、ハチジョウナ、トウオオバコ、ホウキギク、シオクグなども見られた。

塩生植物が生える立地は、すなわち干潟であり、干潟の生き物も数多く生息している。

写真はカニの一種。

ウミニナの仲間?

水深の深い場所にはカワツルモが群落を作っている。

カワツルモRuppia maritima L.はカワツルモ科の多年草で、汽水の水中に生える。
世界各地に分布し、日本でも全国に分布しているものの、多くの地域で絶滅が危惧されている。






<学名の引用元(2018年12月21日現在)>
植物・・・植物和名-学名インデックス YList(http://ylist.info/index.html)
両生類・・・日本産爬虫両棲類標準和名(http://zoo.zool.kyoto-u.ac.jp/herp/wamei.html)
昆虫・・・確認中

<参考文献>
1.齋藤若菜・渡邉祐紀・黒沢高秀 2016. 福島県相馬市小泉川・宇多川河口に震災後新しく出来た塩性湿地・干潟の植物相および植生. 福島大学地域創造, 27(2): 73-92.
2.角野康郎 2014. ネイチャーガイド 日本の水草. 文一総合出版.