この日はホテル(H10 Tindaya)の目の前のビーチでのんびりした後、フェルテベントゥーラ島の南西端にあるハンディア自然公園(Parque Natural Jandía)、特に、島で随一の景勝地として知られるコフェテ海岸(Playa de Cofete)に行った。
この日の日の出は7時29分だった。
多肉質の葉が特徴的な低木。
キダチタバコは、以前にイタリアのシチリア島の荒地でも見かけた。
温暖な乾燥地に適応しているようだ。
昨日も路傍の荒地で見かけた。フェルテベントゥーラ島では街なかから海岸、山に至るまで、どこにでも生えているようだ。
ビーチの砂はとても粒子が細かく気持ちよかった。磯臭さはなく、べとつく感じもしなかった。それは、海水が貧栄養であることの裏返しでもあると思われる。砂浜には貝殻はほとんど落ちておらず、生き物の気配は少なかった。
打ち上げられていた海草。アマモの仲間だろうか?果実は食用になるそうだ。
日本ではあまり結実しないが、ここでは結実率が良かった。訪花昆虫がいるのだろう。
ビーチで数時間ほど寝転がり(とても気持ちが良かった!)、近くのスーパーで買ったパンやビスケット、ポテトチップス、ジュースで昼食を済ませた。
このままビーチでゆっくり過ごそうかという話も出たが、折角なので出かけることにした。
フェルテベントゥーラ島で行きたいと思っていたのが、コフェテ海岸(Playa de Cofete)。しかし、アクセスがかなり大変そうなので、ひとまずホテルから車で10分弱のPlaya de Sotaventoというビーチを訪れた。「コフェテ海岸に匹敵する」という口コミもあって期待したが、駐車場の近くを見た限りでは大したことがなさそうで、むしろホテルの前のビーチの方が良さそうに思えた(後から調べると、駐車場から離れた場所が美しかったようだ)。
ということで、大変そうだけれどコフェテ海岸に行くことにした。
ここに固有のトウダイグサ科の多肉植物Euphorbia handiensis は、この旅で見たい植物の一つだった。しかし、自生地が限られているという情報から、発見は難しいだろうと思っていた。
わずかな期待を持ちながら車を走らせていると、右手前方にそれらしき植物を発見したので急いで停車。
見られると思っていなかったので、とても感激した。
現在の生育状況が気候変動の影響を受けているのだとすれば、将来が心配である…。
曲がりくねった山道を上がり続け、峠であるMirador de Cofeteに到着した。
峠を越えてからの道は、さらに狭くて見通しが利かなくなった。
途中、Euphorbia canariensis の群生地があったが、行きは立ち止まらず帰りに観察することにした。
コフェテ海岸に到着。有名なだけあって、素晴らしい景色が広がっていた。
砂は、ホテル前のビーチと比べるとやや粒子が大きかった。
コフェテ海岸は波が高く水温は低く、ホテル前のビーチと比べると海水浴向きではないと感じた。それでも、折角なので少し海に入って海水浴を楽しんだ。見た範囲では、Traganum moquinii(ヒユ科)1種のみが生育していた。じっくりとコフェテ海岸を楽しみたかったが、明るいうちに帰らなければいけない(日没後に道を走るのは危ない)ので、16時30分前に出発。
帰路の途中、行きに目を付けていたEuphorbia canariensis の群生地に立ち寄った。草丈1~2 mほどで、大きな株を作って生えていた。
最後に、Solana Matorral という町の近郊の海岸を訪れた。ここには、ヒユ科を主体とする低木や草本が密に茂っていた。周囲が他の場所と比べて緑が濃い理由は定かでないが、後背地の山から地下水が流れ込んでいるのだろうか。
Sarcocornia perennis ?(ヒユ科)の群落とモロ・ハブレ灯台(Faro de Morro Jable)。Atriplex semibaccata ?(ヒユ科)
ハマアカザの仲間だが、果実を包む苞が赤く肉質で、液果状になる。英名「Berry saltbush」はその特徴にふさわしい。
付近の公園には、クジラの骨格標本(本物?)が飾られていた。Googleの口コミなどによると、フェルテベントゥーラ島に座礁したマッコウクジラのようだ。18時過ぎにホテルに帰着。
この日も美味しい晩ご飯をたくさん食べた。
ワモンゴキブリかコワモンゴキブリ。
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