2012年7月26日木曜日

シマサシガメとオカトラノオ(花の蜜を吸うサシガメ?)

7月23日
友人たちと3人で高尾山へ行った。
ちょうど夏場でそんなに花は見られないだろうと思っていたが、そんなことはなく、様々な花々を見ることができた。(それについてはまた別に紹介しようと思います。)

高尾山頂で休憩したあと、小仏へと続く尾根道を歩いた。
特に多く見られたのがオカトラノオであった。

オカトラノオ(Lysimachia clethroides)は、サクラソウ科オカトラノオ属の多年生草本。
日当たりのよい草地などに生えるとのこと。

曇りがちの天気だったが、昆虫たちが集まってきていた。




その中で特に目を引いたのがこれ。
シマサシガメ (Sphedanolestes imoressicollis ) である。
似た姿のヤニサシガメやヨコヅナサシガメは何度も見たことがあったが、本種をしっかり確認したのは今回が初めてかもしれない。



他のサシガメと同様に、小さな昆虫を捕食する肉食性カメムシである、と図鑑には書いてあった。僕もてっきり花にやってくる虫を狙っているのだと思ったのだが・・・。

写真をよく見ていただきたい。オカトラノオの花の蜜を吸っていることが分かるだろうか。
これはまぐれではないと思う。写真を撮る前にも何度も花の蜜を吸うような行動をとっていた。(もっとも、中に虫がいたというおちを否定できるわけではないが。)
肉食のシマサシガメがなぜ花の蜜を吸っていたのか。単なる水分補給のためなのか、それともある程度の雑食傾向を持っているのか。このような行動をとるという記述は見当たらなかったので興味深い。



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2012年7月21日土曜日

7月18日 今年最初のアブラゼミ

7月18日 
家の玄関前に転がっていたアブラゼミのオス。

7月21日現在、府中市にある東京農工大学では未だにアブラゼミの鳴き声は聞こえず。でも、こうして発生はしているのだから、明日か明後日の日中には鳴きはじめるのではないだろうか。
ちなみに不確かではあるが、僕の記録によれば
2010年のアブラゼミの初鳴日(そのシーズンの最初に鳴いた日)は7月8日。
2011年の初鳴日は7月1日。(ただし、その時は1匹しか鳴いておらず、本格的に鳴きはじめたのは10日ほど後のことなので、実質的に10日ごろを初鳴日として扱ってもよいかもしれない)


セミの発生には気温が関係するのではないかと思われる。
ということで、2010年~2012年の6月と7月の府中の気温データをあげてみる。府中のアメダスは農工大の敷地内にあるから、データは農工大の生き物の活動を考える上でかなり便利である。(気象庁ホームページより)

2010年 (初鳴日7月8日)


2011年(初鳴日7月1日)




2012年(初鳴日まだ、7月18日に発生は確認)













少々見づらくて申し訳ないが、これらのデータから・・・
2010年と2011年に比較して2012年は6月の後半の気温がかなり低めだということが分かる。
最高気温で見れば、2010年と2011年では30℃を超える日が多くなっているが、2012年では20日以降25℃を少し超える程度で推移。7月も前半は最高気温30℃以下の日が多いことが分かる。

ちなみに、6月下旬の平均気温は
2010年が25.2℃
2011年が26.1℃
2012年が21.3℃
であり、2011年、2010年、2012年の順に高い。これはアブラゼミの初鳴日の早さと一致する。

この結果から、アブラゼミの発生や初鳴日は直前の気温に左右されると言えるように思えるが、どうなのだろう。


今回、セミの発生は直前の気温に左右されるのではないかと書きましたが、それが証明できたわけではありません。あくまで、気温とセミの初鳴日に「相関」があるだけで、「因果関係」があるかは全く分からないわけです。これ以上の考察は大変なのでとりあえず行いませんが、例えば「気温により変化する〇〇(湿度とか?)が、セミの発生に影響を与えている」のかもしれませんし、「気温をあげる要因となる〇〇(日照時間とか?)がセミの発生にも影響している」のかもしれません。 大変ですが、何事も早合点せずにじっくり考えていきたいですね・・・。

追記
7月22日にアブラゼミの鳴き声を確認。

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2012年7月19日木曜日

イタチハギ Amorpha fruticosa

7月15日
近所の川沿いを走っていると、マメ科らしい葉っぱをした樹木が繁茂しているのを見つけた。
見つけた、とは言っても前からそこに生えていたのは知っていて、ただ、よく川沿いに生えているハリエンジュ(ニセアカシア)だろうと思い込んでいてそこまで気にかけたことがなかった。

この日、どうもハリエンジュと雰囲気が違う気がするな、と思って観察すると、イタチハギであることが分かった。

イタチハギはマメ科の低木。 北米原産の帰化植物で、砂防用などとして戦後に導入されたものが野生化しているそうだ。 今回観察したものが植えたものなのか、野生化したものかは分からない。

特徴は花だと思う。(左写真)今回、イタチハギだとはっきり分かったのもこの花が付いていたからだ。
手持ちの図鑑に書いていないので分からないが、花の姿をイタチのしっぽに見立てたのが和名の由来だという記述がネット上であがっていた。
暗紫色をベースに黄色い雄しべが目立つが、全体としてはこれでもマメ科かといいたくなるような変わった、地味な花である。
地味なら何かしら臭いでもするだろうとかいでみたら、弱いながら良い香りを感じた。雄しべが黄色く目立つし、香りもあるから意外と虫が集まってくるのかもしれない。
イタチハギは花に限らず、葉をちぎってもよい香りがした。見た目から、どうせ青臭い臭いしかしないだろうと思っていたから意外であった。


果実もなっていた。随分と結実率は高いようだ。


家に持ち帰って改めて観察してみた。
花の一つ一つを観察してみると、確かにマメ科らしい形をしているように見えた。
しかし、分解してみると花弁が1つしか見当たらない。たまたまか失敗したかと思っていくつか調べても結果は同じ。
あれっと思って図鑑を開いたら、イタチハギは花弁が退化しか1枚しかないとのこと。
(正確に言うと、マメ科(マメ亜科)には1枚の旗弁、2枚の翼弁、2枚の竜骨弁と計5つの花弁があるが、イタチハギではそのうち翼弁と竜骨弁が退化し、旗弁1枚だけになっているということ。)



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2012年7月2日月曜日

6月6日 金星太陽面通過 長野にて

またまた1カ月近く前のことですが・・・


2012年6月6日、2004年6月8日以来8年ぶりとなる金星の太陽面通過と呼ばれる現象が起きた。
はじめに軽く説明すると、金星の太陽面通過とは、地球・金星・太陽が(ほぼ)一直線上に並んだときに見られる現象である。原理としては地球・月・太陽が並んだときに起きる日食と変わらないが、金星の見かけの大きさは太陽のわずかに32分の1であり、金星の姿は太陽面上を通過する黒く丸い点として見える。

日食に比べてインパクトに欠けるためか、知らない人や興味ない人もかなり多かったが、次にこの現象がみられるのは2117年12月11日、実に105年後のことである。

前回の太陽面通過は雨天で見られなかった。そして今回も僕の住む関東地方は雨の予報であった。当日は大学の授業があった。しかし、今回見逃したらギネス級に長生きしない限り見ることができない。悩んだ結果、家(府中)から一番早く行け、かつ晴れ間が期待できる山梨、長野方面に出掛けることに決めた。
仮眠をとり、中央線の始発で長野を目指した。

5時10分ごろ 高尾駅にて


しばらくは電車の外の天候は雨。ようやく曇り空になってきたのが甲府に近づいてきた頃。







7時10分。太陽面通過の開始時間。韮崎駅や新府駅に着く頃の時間であった。しかし韮崎に着いても完全な曇り空で太陽面通過の開始は見られず。

7時30分頃
急に日が射してきた。急いで最寄りの富士見駅で下車してホームにて撮影。
7時38分の様子。
撮影角度がおかしかったようで、本来なら太陽のもっと左上に金星があるべき。

その後10分もたたないうちに曇り空になってしまった。
次の電車で先を目指した。


その後はずっと曇り空が続いた。天気予報を確認すると、かなり西の方まで行かないと完全な晴れ間は望めないようであった。電車賃もばかにならないので上諏訪で下車することにした。

8時35分頃 上諏訪着。

諏訪の天候も曇り。このまま晴れないなら観光でもしようかと諏訪湖畔をぶらついた。
寄ってきたカルガモ 諏訪湖にて















9時46分 日が射してきたのであわてて撮影。

その後はほとんど曇り、時々晴れ。晴れるたびにカメラを構えた。


11時13分

11時54分

その後、諏訪の空は雲に覆われ、観測はできなくなってしまった。

帰りも太陽と金星の姿は見られず。太陽面通過終了の13時45頃は、空はかなり晴れていたが太陽は雲に隠されたままで、結局太陽面通過の最初と最後は見られなかった。

それでも、大学にとどまっていたら全く見ることができなかったようだし、短い時間でも見れて良かったと思う。 もっと前から動いて西日本に行っていれば全過程を見れたかもしれないが、仕方がない。






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Transit of Venus
June 6th, 2012

I watched a transit of Venus in Nagano. Transits of Venus are rare phenomenon. The next of this event will be December 10-11, 2117.

2012年7月1日日曜日

5月21日 金環日食の観測

1カ月以上経ちました・・・
生物には全く関係ないですが、自然観察ということで紹介しようと思います。

2012年5月21日、日本では1987年に沖縄で観測されて以来約25年ぶりの金環日食となった。金環日食とは、地球から見て月と太陽が一直線に並び、かつ月の見かけ上の大きさが太陽より小さいときに起こる現象である。月が太陽を隠しきれずに、太陽がリング状に見えるというわけである。(月が太陽よりも大きく見える場合は太陽が完全に隠されて皆既日食となる。)
中心食帯(金環日食が見られる範囲)は九州~本州の南岸を通過、特に東京や静岡などでは中心食帯のほぼ中心が通過したために、月が太陽のほぼ中心を横切っていく形となり、偏りのないきれいなリングとなった。 僕が観測したのも中心食帯の中心に比較的近い東京都府中市であったために、きれいな円状のリングを見ることができた。

欠け始めは6時20分くらいからだったが、目覚ましをかけ忘れてしまい、友人からの連絡で食事をとらずに急いで学校に向かった。
大学の敷地内にて友人たちと観測を行った。

使ったのはNIKONのD300。撮影中は晴れたり薄曇りになったりで、減光フィルター(ケンコーのND8とND400)をつけたり外したり調節しながら撮影した。

・7時12分 観測開始

・7時30分 欠けが大きくなってきた。 明らかに空がうす暗くなってきた。

・7時32分 金環食の開始。(第2接触)
金環食中は涼しい風が吹き、気温が少し下がったように感じた。

・7時34分 金環食の中心。

・7時37分 金環食の終り(第3接触)

・8時3分

・8時49分

・9時1分

・9時2分 日食終了(第4接触)

当初、当日の天候は曇りとなっていて観測は厳しいと思っていただけに、日食の最後まで見ることができてよかった。


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Annular eclipse  May 23th, 2012  Tokyo, Japan

I watched an annular eclipse in the grounds of my univercity.