2018年3月27日火曜日

初春の野幌森林公園にて

3月19日

札幌で行われた学会シンポジウムのあと、野幌森林公園を訪れた。

森林の主な構成樹種はシナノキTilia japonica、ミズナラQuercus crispula、ウダイカンバBetula maximowicziana、シラカンバBetula platyphylla var. japonica、キタコブシMagnolia kobus var. borealis、ヤチダモなど。
トドマツAbies sachalinensisは植栽個体が多く、どこまでが自生かは不明。


林内は深さ30-50センチの雪が残っていたものの、日当たりの良い斜面や木の根元は雪解けが進み、常緑(+冬緑)の植物たちが顔をのぞかせていた。

ハイイヌガヤCephalotaxus harringtonia var. nana(イチイ科Taxaceaeと、
チシマザサSasa kurilensis?(イネ科Poaceae

積雪の少ない道路ぎわに生えるハイイヌガヤは、エゾユズリハDaphniphyllum macropodum subsp. humileとともに枝葉が枯れていた。
これらの種の冬越しに積雪が重要であることがよく分かる。


フッキソウPachysandra terminalis(ツゲ科Buxaceae

イノデ属の一種?Polystichum sp.(オシダ科Dryopteridaceae

エゾフユノハナワラビBotrychium var. robustum(ハナヤスリ科Ophioglossaceae
沢沿いで水没している個体が多かった。


興味深かったのがツルアジサイHydrangea petiolaris(アジサイ科Hydrangeaceae
(もしかするとイワガラミかもしれない)

木の上部によじ登った枝では落葉していたが、地面付近の小さな葉は緑を保っていた。

手持ちの図鑑ではツルアジサイやイワガラミは「落葉(つる性)木本」とされている。野幌森林公園では緑葉を付けた個体があちらこちらにみられ、越冬葉を有することは既に知られている生態なのではないかと思うが、これに言及した文献には当たれていない。




学名は植物和名ー学名インデックスYList(http://ylist.info/index.html 2018年3月27日確認)に従っています。