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2024年12月17日火曜日

スペイン、カナリア諸島の旅1 日本からバルセロナへ

2024年11月25日~12月5日の11日間、新婚旅行でスペイン王国のバルセロナとカナリア諸島を訪れた。
カタルーニャ州の州都であるバルセロナは、スペイン第2の人口を有し、数々のガウディ建築などで知られる。カナリア諸島はアフリカ大陸の西方の大西洋上に浮かび、7つの大きな島とそれらの属島からなる。年間を通して温暖な気候に恵まれ、固有種を含む多様な動植物が生息する。
大まかな日程は以下のとおり。

■11月
 25日 岡山→関西国際空港(KIX)発→
 26日 →(アブダビ経由)→バルセロナ
 27日 バルセロナ→(テネリフェ島経由)→フェルテベントゥーラ島
 28日~29日 フェルトベントゥーラ島滞在
 30日 フェルトベントゥーラ島→(グランカナリア島経由)→ラ・パルマ島
■12月
 1日 ラ・パルマ島→テネリフェ島
 2日 テネリフェ島滞在
 3日 テネリフェ島→バルセロナ
 4日 バルセロナ→(アブダビ経由)→
 5日 →(韓国仁川経由)→関空着→岡山

まずは、11月25日から26日の様子についてです。

8時ごろ 岡山県の自宅を出発
11時過ぎ 神戸ポートアイランド着 昼食は、ほっかほっか亭ののり弁当。
11時30分ごろ 神戸空港駐車場着

今回、岡山から関西国際空港までのアクセスに、神戸空港と関空を船で結ぶ「神戸-関空ベイ・シャトル」を利用した。
岡山から関空へのアクセス手段として、最初はリムジンバスを考えたが、コロナ禍以降は運休している。バスを乗り継ぐのは大変、電車も大変、関空まで車で行くのはもっと大変だし高速代と駐車場代が高い…
良い案がないと悩んでいたところ、神戸空港と関空を結ぶ船があることを思い出した。調べると、港の駐車場は無料、バスや電車利用よりも船賃が安価、岡山から高速を使えば3時間以内で着けるので関空に直接行くよりは楽。考えうる限りではベストな手段だと分かった。

駐車場に少し早く着いたので、周囲を探索。

フトボメリケンカルカヤ Andropogon glomeratus(イネ科)が群生していた。岡山県では記録のない帰化植物である。

12時30分 出港
波風はほとんどなく、穏やかな航海だった。

13時過ぎ 関西国際空港の船着き場に到着。接続バスで第1ターミナルへ。
訪日外国人が過去最高の人数というニュースのとおり、ターミナル内は非常に混んでいた(この旅で訪れた空港の中で一番の混雑!)。


ユーロ両替を済ませた後、今回利用するエティハド航空の窓口に向かった。オンラインでチェックインを済ませて向かったが、窓口が少なく、手続き待ちの人で長蛇の列。並び始めて約1時間でようやく荷物を預けることができた。
15時~16時ごろ 手荷物検査、出国手続きを済ませ、搭乗口付近へ移動。

17時25分 エティハド航空EY815便 発

離陸後すぐに旋回、左側の窓から関空島が見えた。

フライトマップによると、飛行機は針路を北西に取り、岡山県上空を通過するようである。







岡山市~倉敷市周辺と思われる街明かりが見えてきた。自分たちの住む岡山の夜景を上空から眺められるのはうれしい。

岡山市中心付近。旭川が曲線の暗闇として見える。ひときわ明るい場所は、岡山駅東側と思われる。

倉敷市上空。高梁川の河口がよく見える。右手前の明かりは総社市街、倉敷と総社を隔てる丘陵が暗闇として見えていると思われる。

その後、島根県の中海、宍道湖上空を通過して日本海に抜けた。

朝鮮半島上空。ソウル近郊の夜景だろうか?

その後、中国上空を通り、中東方面へ。
日本からアブダビへはロシア上空を通るのが最短ルートだが、2024年11月現在、多くの飛行機はロシア上空を飛行できない。そのため、やや遠回りの、低緯度を通る航路を取ったようである。

機内食の晩ごはん。
詳しいメニューを思い出せないけど美味しかった。

出発から約11時間、アラブ首長国連邦の夜景が見えてきた。

着陸の少し前に見えた景色。
現地時間の26日0時ごろ、アブダビのザイード国際空港に着陸した。

手荷物検査を終えて免税店エリアでしばらく過ごした。曲線を多用したデザインが印象的だった。

2時25分、EY111便で離陸。

機内食の朝食。

約7時間半のフライトを経て、現地時間の7時前、バルセロナ国際空港に着陸。

空港からバルセロナ中心部へは直通バスを利用した。片道一人7.25€(約1100円)、頻繁に出ていて便利。

8時前、バルセロナ中心部のカタルーニャ広場のバス停で下車。
この日の日の出は7時52分で、ちょうど朝焼けが美しかった。

バス停から20分ほど歩き、今日の宿のPorxos Gardenに向かった。道中の道はゴミが少なく、においもあまりせず、僕が今まで訪れたヨーロッパ各国の町と比べて清潔だと感じた。イタリアとフランスに行ったことがある妻も同様に感じたようだ。

モミジバスズカケノキ Platanus × hispanica の並木

メキシコヤマゴボウPhytolacca dioica(ヤマゴボウ科)

シウタデリャ公園(Parc de la Ciutadella)にて。現地でオンブー(Ombu)と呼ばれる南米原産の樹木で、ヨウシュヤマゴボウなどと同属である。

同公園にはヤツデ Fatsia japonica が植えられていた。

公園や街なかを散策した後、ピカソ美術館を訪れた。非常に多くの絵画で展示されており、1時間強の滞在では見切れないほどだった。




カサ・バトリョの近くの「Tapa Tapa」で昼食。スペイン版のコロッケのクロケタスcroquetas がおいしかった。


カサ・バトリョCasa Batlló
1人31€(約5000円)で日本語オーディオガイド付き。

バルセロナといえばガウディ建築。でも、今回は一日だけの滞在のため全てを訪れることはできない。直前まで悩み、カサ・バトリョとサグラダ・ファミリアの2箇所に行くことにした。

訪れる前に画像で見たカサ・バトリョは、素晴らしいけれど奇抜なデザインの建築、という印象だった。しかし、実際には周囲の街並みと溶け込んでいて、曲線を多用した内装もリラックスできるものであり、想像していたよりもずっと良かった。

約1時間の滞在後、地下鉄に乗ってサグラダ・ファミリアへ。

サグラダ・ファミリア Sagrada Família
1人26€(約4000円)で日本語オーディオガイド付き。なお、オーディオガイドはカサ・バトリョでは貸し出し式だったが、こちらはアプリをダウンロードして、自分のスマホ、タブレット端末で聞くというものだった。

2024年11月現在、2026年の完成を目指しているとのこと。
サグラダ・ファミリアも、写真で見ていたよりもずっとすばらしかった。

ガウディ建築は、自然を参考にしたりモチーフにしたりしているものが多いという。
サグラダ・ファミリアの教会入り口にはアイビーを模した緑色の装飾があり、コガネムシやテントウムシ、カマキリ、アブやハチ、ダンゴムシ、ヤスデ、ミミズと思われる生き物たちが散りばめられていた。
僕たちの他に足を止める人はいなかったが、隠れたスポットだと思う。


1時間強の滞在後、再び地下鉄に乗り、宿に戻りチェックイン。
19時30分ごろ宿発、徒歩でカタルーニャ音楽堂Palau de la Música Catalanaに向かった。

20時~21時半ごろ、ギタートリオとフラメンコのコンサートを聴いた。
1階後方の席で59€(約9000円)。

自宅を出発して丸二日たち、疲労でウトウトしてしまったが、世界遺産にも登録されているカタルーニャ音楽堂にて、情熱にあふれていて笑いもある演奏会を楽しめた。
アンコールは大いに盛り上がり、観客総立ちの拍手で幕を閉じた。
演奏会後、Restaurant La Taverna del Coure で晩ご飯。タパスでクロケタス&パドロン(トウガラシ)の素揚げ、トマトソースを塗ったトースト、生ハムを注文。

23時前に宿に帰着。



2016年4月4日月曜日

おがさわら丸のタイル画に描かれた植物たち


父島二見港に停泊する「おがさわら丸」。
小笠原諸島と本土を結ぶ唯一の貨客船である。



おがさわら丸の船内でひときわ目を引くのが美しい花々が描かれたタイル画。
一つ一つの花を見てみると、小笠原に自生する種と思われるものが含まれていることに気づく。




これだけ目立つタイル画のこと、どこかに描かれた植物の情報があるだろうと思い検索したが見当たらなかった。

自分なりに種同定することにした。



まずは左上。
ここには2種類のヤシ科と思われる植物が描かれている。

まず、左下の扇形の葉は、小笠原固有変種の「オガサワラビロウ Livistona chinensis var. boninensis」だと思われる。

次に、真ん中で存在を放つヤシ。候補としては小笠原固有種の「ノヤシ Clinostigma savoryanum」、それから自生はしないが広く植栽されている「ココヤシ Cocos nucifera」が思いつく。葉や幹の雰囲気はココヤシに近いが、それにしては大きな実(ココナッツ)が描かれていないのが不自然な気もする。
どちらの種かは判断付けがたいが、ここは固有種のノヤシということにしたい。


次に左下。

まず、白い花を多数付けた植物は固有種の「ヒメツバキ Schima mertensiana」だろう。ヒメツバキは小笠原村の花にも指定されており、小笠等諸島を代表する花木である。


次に、ヒメツバキの下に描かれた植物。葉裏と新芽が赤さび色であること、また葉の形状から判断すると「コバノアカテツ Planchonella obovata var. dubia」が妥当だと思う。
コバノアカテツはアカテツの変種で、小笠原諸島と沖縄の大東島に分布する。

次に、ヒメツバキの右隣に描かれた黄色の5弁花は、園芸植物として小笠原でも栽培される「アリアケカズラ Allamanda cathartica」だろうか。これについてはあまり自信はない。

最後に、右下に2個描かれた花は、小笠原固有種の「テリハハマボウ Hibiscus blaber」か広域分布種の「オオハマボウ Hibiscus tiliaceus」と思われる。絵からはどちらの種なのか判別できないが、小笠原なのだし固有種のテリハハマボウということにしておく。


右上。

まず、一番上に描かれた赤い花は、恐らく「デイコ Erythrina variegata var. orientalis」だろう。
デイゴ(デイコとも)は小笠原では「ビーデビーデ」と呼ばれて親しまれている花木。かつては固有種ムニンデイゴとされていたが、今では沖縄等で見られるデイゴと同種とされている。

次に、デイコの下に描かれたパイナップル様の植物は小笠原固有種の「タコノキ Pandanus boninensis」だろう。

それから、タコノキの右隣に描かれているのは、おなじみの「ハイビスカス Hibiscus rosa-sinensis」だろう。ちなみに、ハイビスカスの標準和名は「ブッソウゲ」という。

ここには他に、左に描かれた赤い花と、右上に描かれた玉状に咲いたピンク色の花?があるが、残念ながら検討がつかない。左の花はかなり特徴的な姿をしており、種判別は十分に可能だと思うのだが。(2017年11月追記 左が「シクンシ Combretum indicum、右上がサンダンカIxora chinensisではないか?)



最後に右下。

まず、左側の赤い花は、先ほども登場したブッソウゲ(ハイビスカス)で良いだろう。

次に、右上の白い4弁花は小笠原固有種の「ムニンノボタン Melastoma tetramerum」でよいと思う。ムニンノボタンは小笠原諸島の中でも父島のみに分布、個体数が非常に少なく保護増殖が行われている。

最後に、ムニンノボタンの下の花は「ハハジマノボタン Melastoma tetramerum var. pentapetalum」だと思う。
ハハジマノボタンはムニンノボタンの変種で母島に固有。花弁は5枚で淡紅色を帯びる。タイル画に描かれたノボタンsp.は4弁花の点で異なるが、花色から判断すればハハジマノボタンが妥当だろうと判断した。



以下、タイル画に描かれた植物の種名をまとめる。

<固有(変)種>
・オガサワラビロウ
・ノヤシ
・ヒメツバキ
・テリハハマボウ
・タコノキ
・ムニンノボタン
・ハハジマノボタン

<広域分布種>
・コバノアカテツ
・デイゴ(人為的に持ち込まれたとする説もある)

<園芸種>
・アリアケカズラ
・ブッソウゲ
・不明種1
・不明種2

計13種

種同定にいくつか不安があるものの、描かれた植物の約半分は小笠原固有種ということになる。さらに、コバノアカテツとデイゴもかつては小笠原固有種とされていたことから、この2種も固有種として描かれたのかもしれない。タイル画のモチーフに小笠原ならではの植物が多く取り入れられていることをうれしく思った。
現おがさわら丸は今年夏をもって小笠原航路を引退し、新しい船にバトンタッチする。よって、このタイル画も今年で見納めになるかもしれなく、少し残念である。



<参考>
・豊田武司 2003. 小笠原植物図譜(増補改訂版). アボック社.
・豊田武司 2014. 小笠原諸島固有植物ガイド. ウッッズプレス.

2015年5月9日土曜日

空から見た赤潮

4月27日

残雪の目立つ氷ノ山
大阪伊丹から飛行機で隠岐へ向かった。
この日は快晴で、窓から氷ノ山や鳥取砂丘を望むことができた。

鳥取県中部の東郷池の上空にさしかかる頃、海面の一部が赤く色づいていることに気が付いた。赤潮である。

この日流れていたニュースによれば、今回の赤潮は渦鞭毛藻の夜光虫(やこうちゅう、ノクチルカ)の大発生によるものだという。



隠岐の主島、島後にて。

毒々しい色合いの赤潮だが、夜光虫によるものは無害で、漁業被害もあまりないそうだ。




島後 浄土ケ浦海岸



赤潮の発生要因として、生活排水の流れ込みなどによる海水の富栄養化がよく言われる。

しかし、春季に日本海側で発生する赤潮は、必ずしも海水の富栄養化を示すものではないらしく、島根県では春の風物詩的な現象だそうだ。確かに、赤潮の発生していた隠岐の海は透明度が高く、汚染とはほとんど無縁に思われた。

もっとも、鳥取沿岸では河川の流れ込む場所を中心に発生しているようにも見えたので、川から流れ込む栄養塩の存在も重要なのかもしれない。

5月1日

帰りの飛行機から島後を見る。
風に吹き寄せられたのか、沿岸に赤潮が集中して見られた。








<参考・引用>
ノクチルカ赤潮(夜光虫)について
http://www1.pref.shimane.lg.jp/industry/suisan/shinkou/gyosei_info/akashio/suisanka.data/papaer.pdf (2015年5月4日現在)








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2015年2月19日木曜日

カワモズク類の観察

2月12日

大学の授業で、兵庫県のとある場所の水田地帯を訪れた。

扇状地の末端にあたるこの場所では、用水路を流れる水は河川から引いたものではなく、湧き水(伏流水)由来である。

湧き水で涵養されるこの用水路には、淡水紅藻のカワモズクの仲間が生育する。
赤褐色の大きなかたまりがチャイロカワモズク Batrachospermum arcuatum、緑色で小さなかたまりがアオカワモズクBatrachospermum helminthosum

この場所ではチャイロカワモズクの方が旺盛に生育していた。


チャイロカワモズク、アオカワモズクともに環境省のレッドデータで準絶滅危惧、兵庫県レッドデータでBランク(絶滅危惧Ⅱ類相当)に指定される。


観察のために採集したもの。
上の緑色のものがアオカワモズク、下二つがチャイロカワモズク。

「モズク」と言われるだけあって、触るとぬるぬるしてつかみづらい。かつては食用に利用されたそうだ。

観察した個体の大きさはチャイロカワモズクが5cm前後、アオカワモズクが2~3cmくらい。ただし、アオカワモズクは生育後期のためかあまり元気がなく、実際にはもう少し大きく成長するのだと思う。
採集したものを観察。肉眼では、楕円のかたまりが、じゅず状に連なっているように見える。

個人的にはミミズの仲間か、植物でいえばヒノキの枝葉に少し似ているように思った。
顕微鏡で拡大(目盛は確か1mm単位)。

肉眼で楕円のかたまりに見えたものは、細かな枝(輪生枝というらしい)の集まり。中軸の節ごとからまとまって生える。






さらに拡大して輪生枝を見る(こちらはアオカワモズク)。目盛は多分0.1mm。

輪生枝は1列の細胞で形成されていることが分かる。枝の先端には丸っこいものがあるが、これは精子嚢なのだそうだ。 チャイロカワモズク、アオカワモズクとも雌雄異株が基本で、今回観察したのはすべて雄株だった。

また、写真の下部に点々と写る小さく丸いものは、恐らく精子嚢から飛び出したアオカワモズクの精子。自ら動くことのできない「不動精子」と呼ばれるもので、水の流れで造果器(造卵器にあたる)へ運ばれ、受精するという。
花粉を風や動物などに運ばせて受粉、受精を行う種子植物と少し似ている。


紅藻の仲間には、寒天の原料となるテングサの仲間や、ノリ(アサクサノリ、スサビノリなど)などよく知られた「海藻」が含まれる。 海において、紅藻や褐藻、緑藻などを含む海藻は、大型の生産者として重要な存在である。

一方、淡水域の大型生産者といえば維管束植物(シダ、種子植物)、特に被子植物であるため、自分は今まで藻類を注目することはほとんどなかった。しかし、小型ではあるものの海藻のように立派に育つカワモズクの姿を見て、案外重要な存在なのかも、と少し印象が変わった。

今後は藻類の存在にも目を向けながら、淡水域の植生を観察してみようと思う。



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