2019年4月7日日曜日

辻堂砂丘の跡地で海浜植物を探す

辻堂浄化センター付近
4月初旬

藤沢市の辻堂西海岸を訪れた。
辻堂団地や辻堂海浜公園、大学施設などで構成されるこのエリアは、藤沢市民の私にとってなじみ深い場所である。







現在の風景からは想像し難いが、ここには1960年代初頭まで東西約2 km、南北約1 kmに及ぶ砂丘が広がっていた。
首都圏にありながら開発をまぬがれ、広大な砂丘が維持されていたのには、戦前の日本海軍や、1945~59年の在日米軍による軍事演習場としての利用がかかわっている。


左の写真は、1961年から1963年の間に撮影された航空写真(地理院地図 https://maps.gsi.go.jp より)。
この時は、まだ砂丘が広がっていた。撮影直後の1964年(1963年?)には辻堂団地の建設などが始まり、砂丘は国道134号線より海側をのぞいてほぼ姿を消した。



砂丘時代から環境が大きく変化した当地にて、砂丘(砂浜)を生育地とする”海浜植物”を探して歩いた。


ハマヒルガオ Calystegia soldanella (L.) R.Br. (ヒルガオ科)

点々と見かけた。花がきれいな植物なので、植栽個体も含まれているかもしれない。

ハマアオスゲCarex fibrillosa Franch. et Sav. (カヤツリグサ科)

法面緑地や道路脇などに多く見られた。

テリハノイバラRosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crèp. (バラ科)

道路脇やわずかに残った砂丘に生えていた。
海浜植物というわけではないが、砂丘後背にもよく生える。






なお、岡ほか(2009)によればカヤツリグサ科のビロードテンツキFimbristylis sericea (Poir.) R.Br.もあるらしいが、今回は見つけられなかった。


ハマアオスゲとビロードテンツキ、テリハノイバラは国道よりも海側の砂丘ではほとんどみられない(と思う)。これらの植物は砂の動きが少なく安定した立地(半安定帯や安定帯と呼ばれる)に特徴的であり、砂の動きが激しい海側の砂丘では生育が難しいのだろう。
すなわち、いくつかの海浜植物にとって砂丘跡地が重要な生育場所であるのかもしれない。

近いうちに詳しく調査してみたい。


<参考>
・Wikipedia 辻堂団地(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BE%BB%E5%A0%82%E5%9B%A3%E5%9C%B0
・追憶。~私の辻堂団地~
http://tsujidodanchi.web.fc2.com/index.html
・Wikipedia 在日米海軍辻堂演習場
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9C%A8%E6%97%A5%E7%B1%B3%E6%B5%B7%E8%BB%8D%E8%BE%BB%E5%A0%82%E6%BC%94%E7%BF%92%E5%A0%B4
・植物和名-学名インデックス YList
http://ylist.info/index.html
・神奈川県レッドデータ生物報告書(1995年) 植物篇 ブロック別の概要
http://nh.kanagawa-museum.jp/research/archives/reddata1995/plant_block.html
・早坂大亮, 藤原一繪 2006.神奈川県湘南海岸に現存する海浜植物群落の成立要因. 日本緑化工学会誌, 32(2), 346-354.
・岡 浩平, 宮﨑真司, 小堀洋美 2009. 湘南海岸沿岸域における砂丘の開発が海浜植生に及ぼす影響. 景観生態学,14(2), 119-128.