2011年12月29日木曜日

西表島・石垣島旅行記 3日目

10月17日
~カヌーとチャリ走~

カンピラ荘を道の向かいから撮影
6時半起床
宿の周りを散歩
7:30朝食
食後すぐに自転車を借りに、宿のすぐ近くの高台にある村田自然塾に向かった。村田自然塾には旅行前にツアーを申し込もうと連絡をしていた。しかしツアー開催には2人以上が必要ということで、申し込みはできなかった。あきらめきれなかった僕は、自転車を借りる際に、一応塾長の村田行さん(ひげさん)に「ツアーを申し込んだんですが、やはりだめでしょうか?」と聞いてみた。
結果はやはりダメ、ということだった。ただ、ひげさんはこれから船浦のニッパヤシ群落の定期調査に行くのだという。「一緒に来るか?」と言われたので、ありがたく同行させていただくことにした。(料金はカヌーレンタル料のみ)

宿の花に来たシロオビアゲハ
9時、宿の前にひげさんが車で迎えに来てくださったので、それに乗ってカヌー船着き場へと向かった。

カヌー船着き場は船浦湾にそそぐヒナイ川の支流のひとつマーレー川にある。村田自然塾以外のツアー店の多くもここを利用しており、川べりの林の中にはカヌーがずらりと並んでいた。
マーレー川を下り、ヒナイ川に合流するあたりで、風が強くなってきた。そしてヒナイ川河口に達した時には、猛烈な向かい風と波で思うように前に進めないほどになった。
やっとこさ船浦湾内を進み、ヤシ川に入ると途端に風がおさまり、波も穏やかになった。ヤシ川はオヒルギやヤエヤマヒルギなどで構成されるマングローブ林に囲まれており、風や波が遮断されるのである。マングローブの消波・防風能力はなかなかのものである。
ニッパヤシ
上流へ進むにつれて川幅は次第に狭まり、時々オヒルギの枝に衝突しながら進行。ヤシ川に入ってから30分弱、ニッパヤシ群落に到着した(以前の記事で詳しく書きました)。
しばらく観察してから、ヤシ川を引き返した。
マーレー川とヒナイ川の分岐点で、ひげさんと僕は分かれた。ひげさんは帰宅、僕はヒナイ川上流のピナイサーラの滝へと向かった。
ひげさんには後ほど船着き場の近くの自然塾の荷物置き小屋に迎えに来ていただくことになった。
前方にピナイサーラの滝を見ながら、ヒナイ川をさかのぼった。20分ほどで上流船着き場に到着、そこから滝を目指し山道を進んだ。 道はかなりの坂で、カヌーをこいで疲れていた僕はすぐに息があがってしまった。
20分ほどでピナイサーラの滝に到着した。
ピナイサーラの滝は落差55メートルと沖縄県で一番の落差。「ピナイサーラ」とは「白く、長いヒゲ」という意味だそうだ。(サイトや文献によって説明の仕方は少々違う)海岸の周回道路からも見えるこの滝の姿は、確かに老人の長い白ヒゲに見えなくもない、と思った。
滝の近くはすさまじい水しぶきと強風で、メガネはすぐに水滴だらけになった。
本来なら滝の上にのぼるコースがあるのだが、少し前の大雨でそのコースは通行止めで上に行くことはできなかった。仕方なく滝の近くで水しぶきを浴びながら昼食をとった。


コウトウシュウカイドウ(左写真)、サツマイナモリなど林内の植物を観察しながら道を戻り、船着き場に止めておいたカヌーに乗って、マングローブ林の植物を観察しながらマーレー川の船着き場へと戻った。

自然塾の物置小屋にてひげさんに連絡し、車で迎えに来ていただいた。
車が来るまでの間、小屋の周りにいたリュウキュウアサギマダラ(左写真)などを観察して過ごした。
15分ほどで迎えが来て、村田自然塾へ戻った。自転車を借り、今度は月ヶ浜へと向かった。


月ヶ浜へ向かったのは、その付近にヤエヤマツダナナフシという珍しい虫が生息しているという情報を得たからだ。ただし、僕の探し方が悪かったのか、それとも採集等で既に生息していなかったのか、その姿を見ることはできなかった。

ナナフシはあきらめて、ビーチコーミングを行った。
月ヶ浜は湾内の浜であるためか、外洋からの漂着物はあまりなかった。一方で、島内最大の河川、浦内川の河口のすぐ近くにあたるため、上流から流れついたとみられるものが数多く見られた。ヒルギダマシの苗(左写真)、オヒルギやヤエヤマヒルギの胎生種子、ハスノミカズラの種子などが見られた。そのいくつかは持ち帰り、栽培してみることにした(別ブログ、てっちゃんの庭で紹介しています)

18時 宿に戻り食事。
食後、先ほど月ヶ浜に行く途中に見つけたアダンという植物の食痕(生き物の食べたあと)を自転車で見に行った。ツダナナフシはアダンが食草である。
西表島の夜道は暗かった。暗いのが苦手な僕にとって、そこをひとりで走るのは少々勇気のいることだった。集落周辺は街路灯があったのだが、そこを一歩ぬけるとそれすらない真っ暗闇が続いていた。曇りで月や星が隠されていたのも暗さの原因であったと思う。
頑張ってアダンの食痕を見て回ったが、ナナフシは残念ながら見つからなかった。


明かりに来ていたカニ。虫を狙っていたのだろうか。

帰り、今度はクワガタなどを探すために集落の明かりを見て回った。この夜も風が強く、気温も低かったため虫はそれほど見られなかった。それでも、ヤエヤマノコギリクワガタのメス1匹を見つけることができた。

12時前 就寝





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2011年12月28日水曜日

西表島・石垣島旅行記 2日目

2日目
10月16日
~石垣島から西表島へ~

石垣島の天候は曇り。風が強く肌寒かった。
8時ごろ宿をチェックアウト。朝食のため店を探す。が、どこも開いていない。どうやら24時間営業の店はコンビニ以外存在しないようだった。島の朝は少し遅いようであった。
花札なんぞやったことがない
やっとのことでモーニングサービスの看板のある店を発見。入店したが、中ではおっさんたちが酔いつぶれて爆睡中。机が電子版の花札や麻雀になっていて、どうやら地元の人の夜の遊び場であるらしかった。
少々気まずい感じであったが、他に食べるところもないようだったので、ハムサンドを注文。(美味しかったです)


フクギの実。ガス臭がする。
食事後、10時まで付近を散策。フクギやキダチアサガオなどを見た。フクギは沖縄では代表的な街路樹。ちょうど果期を迎えていた。このフクギ、トロピカルフルーツで有名なマンゴスチンと同じ属の木である。しかし、実はガスとかガソリンに形容できるような臭いを放ち、食べられるシロモノではないようだ。(食べられる、と書いてある本もあったが…)
10時に図書館が開館したので、しばらく中で読書。
西表島への船へ乗るために離島ターミナルへ向かう。途中、クロマダラソテツシジミなどを見た。

西表島へは船でしか行けない。航路は2通りあり、ひとつが東部の大原港へ、もうひとつが西部の上原港へ、である。僕が西表で泊まる宿は上原港のすぐ近く、だから上原行きの船に乗る予定だった。しかし、外洋を通る上原行きは波が高かったために欠航となっていた。(波高3メートルが欠航の目安らしい)
そのため、今回は大原行きの船に乗り、そこから送迎バスで上原に行くという形になった。上原行きのほうが若干船賃が高いから、大原から送迎しても割に合うのだろう。
ちなみに大原行きはサンゴ礁に囲まれた波の穏やかな内海を通るため、めったに欠航しないそうである。


送迎バス
12:00離島ターミナル発、
12:40大原港着
西表島は雨であった。風も強く、肌寒かった。(気象庁を参考にすると最高25℃に達しなかったよう)
親からのメールで地元神奈川は30℃になったというから、南国西表島のほうが気温が低いという面白いことになっていたようだ。
13:45送迎バスで上原港着
13:55 宿 カンピラ荘着。
カンピラ荘は2月の旅行でも泊まった宿である。

宿に荷物を置き、昼食に。
新八食堂で野菜そばを注文。

その後、まるまビーチ、ヒナイビーチといった近場の浜でビーチコーミング。浜は雨交じりの強風で傘がさせないほど。海は荒れ、木はざわめき、ひとりで歩くには少々さびしい雰囲気であった。2時間ほどかけてモダマ、ニッパヤシ、サキシマスオウノキなどの漂着種子を拾った。海岸林内からはイワサキゼミの「ゲーツ、ゲーツ」という声が響いてきて、西表に来たことを実感。

宿に戻り夕飯。23時ごろ就寝。


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西表島・石垣島旅行記 1日目

時間に少しだけ余裕が出来たので、10月15~23日の西表・石垣島の旅行についてまとめていきたいと思います。以前、別ブログで旅行記を書くと書きましたが撤回します。すみません。

1日目
・10月15日
~羽田から石垣島へ~

自宅を10時前に出発、近くの駅から出る羽田行き直行バスに乗車。
空港での一番の楽しみが消えてがっかり。
11時頃、羽田空港着。
展望デッキで空港の景色を眺めるのを楽しみにしていたが、強風のためにデッキは閉鎖。やむなく空港内をぶらついて過ごす。吐き気があったため食事は軽食で済ました。
13:40羽田発のJTA73便に搭乗。離陸予定時刻は当初13:40だったが、飛行機の到着遅れの影響で離陸は20分遅れの14時となった。


雲の上は晴れ
羽田の天候は曇り。飛行中も眼下はほとんど雲海であった。悪天により機体が大きく揺れる恐れがあるというアナウンスが繰り返し流れていたが、結局大きな揺れには遭遇しなかった。
着陸の20分前くらいから機体の高度はどんどん下がり、宮古諸島と眼下にのぞむ。着陸10分前には雲間に虹が見えたが、着陸態勢に入っていたため写真を撮ることができなかった。


17:10石垣空港着。
直前まで雨が降っていたようで、滑走路は水び出しだった。
路線バス(空港線)でバスターミナルへ。
バス利用者は10人くらい。飛行機の座席が7~8割埋まっていたのからすると随分少なかった。多くの人はホテルの送迎バスなどで移動したのだろうか。

バスターミナルから徒歩5分で1日目の宿、「ターミナルハウス」着。僕が泊まったのは半個室(ドミトリー)で、一泊1000円であった。
風呂はないがシャワールームはあり、十分清潔であったと思う。気持ちよく過ごすことができた。


荷物を置いて、商店街へ食事に向かう。今年の2月にも石垣島など八重山諸島を訪れていたが、その時の外食の大半は八重山そば(7回中5回)。今回は八重山そば縛りをやめようと、「島料理の店 ぱいぬ島」で野菜チャンプルーセットを注文。


就寝前、宿の窓にオオシママドボタルがやってきた。この種は石垣島・西表島などの八重山諸島にしか分布しない。てっきり珍しいものかと思っていたが、街中の建物の明かりに飛んできたのでびっくりした。宿の方曰く、この時期にはよく見られるらしい。

24時前就寝。


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2011年12月9日金曜日

農工大のニホンミツバチ

8月の様子
僕の通う農工大の学内のテニスコート脇にキササゲという樹木がある。そのうろの中にニホンミツバチが住んでいる。

ニホンミツバチは日本在来の種。一方、養蜂で使われるのは、多くがヨーロッパ産のセイヨウミツバチだ。蜂蜜の採取の効率性などが良いらしい。

ニホンミツバチの生態で変わっているのが、蜂球である。巣を襲撃してくるスズメバチへの対抗法であり、スズメバチの周りに多数個体が群がり団子状になり、体を震わせて温度を上げ、スズメバチを熱死させるというものだ。
夏場には、この巣の下にも蜂球で殺されたとみられるスズメバチの死体が転がっていた。
(この場所で以前、蜂球(かもしれない)行動があったので、You tubeにアップしてみました。かなり荒い画像ですが。)

しかし、蜂球は必ずしも成功するわけではないようだ。昨年までは、もうひとつの巣がアカマツのうろにあったが、その秋にスズメバチに襲撃され、どうやら全滅してしまった。キササゲにある巣も、襲撃後の一時期はかなり個体数が減ってしまっていた。
ちなみに昨年のスズメバチ襲撃以来、ミツバチの巣のあるキササゲはずっと「スズメバチ注意!」の看板とロープで囲われている。スズメバチが住んでいるという誤解を招きそうだし、いい加減外してほしいなぁと思うのだが。
ニホンミツバチはおとなしいハチのようである。巣の出入り口から50センチくらいまで近づいても何の反応もしなかった。無論、もっと近づけば刺されたかもしれないが、さすがに試してみる気にはなれない。
この個体を撮った12月7日には多数の個体が飛び交っていたが、寒くなった翌日にはほとんど活動が見られなかった。まもなく冬眠の時期を迎えるのだろうか、それとも暖かい日には再び顔を出すのだろうか。

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