2011年8月31日水曜日

クロサンショウウオ

乗鞍途中から見えた白馬大池

乗鞍岳(白馬乗鞍岳)山頂を少し下り、標高2379メートルに位置する白馬大池に着いた。流入河川がなく、降水や雪解け水によって支えられる白馬大池には魚はいない。
池の湖畔(池畔というべきか?)を観察していると、クロサンショウウオの姿があった。かなり個体数が多く、軽く見渡しただけでも10匹近く確認することができた。
白馬大池は貧栄養状態の池であり、プランクトンはかなり少ないそうだ。僕が見たところ、小さなゲンゴロうの仲間と、水底にカワゲラの幼虫らしき昆虫を確認できた。他にもトンボやユスリカの幼虫
アップ写真
などが生息しているらしい。(「白馬の自然」 土田 勝義著 信濃毎日新聞社を参考)
サンショウウオはこれらの生き物を餌としているのだろうが、餌の量に対してサンショウウオの数が多すぎる気がした。水温が低く代謝が活発でないから、それほど多くの餌を必要としていないのかもしれない。




ブログランキング・にほんブログ村へ  ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。
にほんブログ村

ゴゼンタチバナ

上高地に引き続き、今度は学校のサークルで長野県の栂池・白馬に行った時の植物や昆虫を紹介します。まずはゴゼンタチバナについてです。




ゴゼンタチバナはミズキ科の多年生草本。山地の樹林下に生育する。今回登山した乗鞍岳(白馬乗鞍)では山頂付近のハイマツ帯にも数多く生育していた。
ゴゼンタチバナの花期は標高が高くなるほど遅くなるようだ。標高約1850メートルの栂池自然園付近では既に赤い実をつけていたが、乗鞍岳をのぼっていくにつれ中心に未熟な実が形成されているものが見られるようになり、そして標高2300メートルあたりではほぼ完全な開花個体を見ることができた。
ただし、山頂付近では未熟な実が形成されているものが見られた。個体差なのか、それとも日照条件などが影響しているのか。山頂よりも日光の当りにくい樹林下の方が温度が低めになっているのかもしれない。



中心の小さな花は実になりかけている。

小さい植物体に似合わないほど大きな花をつけるゴゼンタチバナ。しかし4枚の白い花弁のようなものは、総包葉と呼ばれる葉っぱが変化したものであり、中心に本当の小さな花がまとまって付いている。赤い実一つ一つがそれぞれひとつの花からできたと考えれば分かりやすいと思う。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村  ランキングに参加しています。クリックしていただけると嬉しいです。

にほんブログ村 花ブログ 山野草・高山植物へ
にほんブログ村

2011年8月30日火曜日

ヤモリ

大学の学芸員の授業の合間、友達が教室でヤモリを捕まえた。
一度は手からすり抜け教室の座席下を猛スピードで走り回った。席に座っている人は、突如足元にヤモリが登場したものだからびっくりした顔をしていた。もしかするとヤモリと認識する間もなかったかもしれない。それほどヤモリは速かった。



再度捕まえて写真撮影。拡大すると、なんだかワニや恐竜みたいでずいぶん怖い顔だ。以前飼育していた時は、もっとかわいい顔をしていた気がするが、今回は日中で瞳孔が細くなっていたからこんな顔だったのかもしれない。


ちょっと怖い











ブログランキング・にほんブログ村へ  よろしければクリックお願いします。
にほんブログ村

2011年8月22日月曜日

ニホンザル

子ザル。バスターミナル近くにて
今回の上高地アルバイト期間中、何度もニホンザルと遭遇することになった。完全に人慣れしていてるようで、バスターミナルや河童橋など最も人が多い場所にも平気で現れていた。
身近に野生動物を見れる機会はあまり多くない。観光客の方々の多くはサルの登場に喜んでいた。特に欧米からの外国人の方々は、ヨーロッパや北米にサルが生息していないためか、皆さん興味津々のようであった。
一方でサルの過度な人慣れ、観光客の餌やりなどが原因で、日光などで見られたように観光客がサルに襲われる可能性がある。それを知っていてか、サルを怖がっている観光客も見受けられた。そのようなサル被害を防ぐためにBesではサルの追い払いを行っている。僕たちもバスターミナルに現れた群れを追い払うこととなった。
最初に枝やゴミ拾い用トングでサルを威嚇した。ほとんどは茂みや木の上に逃げたが、一頭が逆に威嚇してきた。それ以上近づくのはあまりに怖かったので、サルの近くに石を投げて応戦した。しばらくして、そのサルは隙を見て茂みの中へと逃げて行った。木の上のサルにも投石を行ったが、枝や小便を落としてくる上、観光客の方々が近くにいて投石は危険なことと、パニックになったサルが観光客を襲う可能性もあったので途中でやめた。
そんな僕たちの姿を見て観光客の方々はどう思ったのだろうか。サル被害が起こらないためには仕方ない行為だと思われたか、それともサルに対してひどいことをする、と思われたか。僕自身、サルが観光客を襲う心配がなければ野生動物を観察できる良い機会だから、むやみに追い払わなくてもよいのではと考えたりしたが、結論は出なかった。人と野生動物との関わり方は難しい問題である。ただ、野生動物をペットのようなかわいい存在と考えるのはあまり良くないであろう。

子ザルを追う雄ザル

上高地アルバイトで見つけた生き物については、ひとまずここまでとしたいと思います。











ブログランキング・にほんブログ村へ    よろしければクリックお願いします。
にほんブログ村

ミヤマモジズリ

清掃登山の風景
上高地バイト最終日の清掃登山は、キベリタテハのページでも述べたが行きが大雨であった。加えてBesの方(所長さん)の歩くペースが異常に速く、自然観察はおろかゴミ拾いもままならないほど・・・。そんな中、山道の右側にミヤマモジズリを発見したが撮影失敗。

ミヤマモジズリはラン科の多年生草本。モジズリとは、同じくラン科で、芝生などいたるところに生えるネジバナの別名である。ネジバナと似ていて、山(深山)に生育することからこの名前が付けられた。

帰りにゆっくり撮影しようと友達と必死に探すが、なかなか見つからない。周りの景色や植生を頼りにやっとのことで見つけだし、日当たりの悪さに苦労しながらも何とか撮影に成功した。



花つきの良い株

参考:ネジバナ(2010年 自宅)



















ブログランキング・にほんブログ村へ  よろしければクリックお願いします。
にほんブログ村

にほんブログ村 花ブログ 山野草・高山植物へ
にほんブログ村

2011年8月21日日曜日

キベリタテハ Nymphalis antiopa

最終作業日の17日。槍ヶ岳を目指す清掃登山を行った。が、猛烈な雨で2100メートル付近で引き返すこととなった。デジタルカメラはバッテリーの部屋に水が入り、液晶画面内部が曇り、一時使用不能という事態に。
下山途中から天候は回復し、カメラも再び動くようになった。(その後帰宅まで再び動かなくなったのだが・・・)

上高地最奥部の横尾に到着し、休憩。その間にバイトメンバー(大学の友達)と横尾大橋を歩く。橋を往復し、橋の石段を降りようとした時、3段ほど下にチョウが止まった。キベリタテハであった。
キベリタテハはタテハチョウ科のチョウ。名前の由来は翅の縁が黄色いことから。漢字では黄縁立羽となる。


僕らの存在に気付いたキベリタテハは、カメラを構える暇も与えず飛び立ったが、次に橋の欄干に止まってくれた。
最初は2メートルほどの距離があったが、じりじりと近づき、最終的に10センチまで近寄ることができた。
キベリタテハは、特に見てみたいチョウの一つだった。最終日に素敵な出会いをもたらしてくれた上高地に感謝したい。


ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村  よろしければクリックお願いします。

にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へ
にほんブログ村


ノリウツギ Hydrangea paniculata

ノリウツギはユキノシタ科の落葉性低木である。「ウツギ」という名前が紛らわしいが、アジサイ属の植物である。花を見ていただければ分かると思う。ちなみに(本家?)ウツギは同科ウツギ属の低木である。また「ノリ」とは樹皮から糊が採れることから名付けられたのこと。漢字で書けば糊空木となる。
僕が上高地を訪れた時、このノリウツギが丁度見ごろを迎えていた。


雨があがると、ノリウツギの花に多くのハナカミキリ達が集まってきた。まるで小さな宴会場といったところであった。

































ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村    よろしければクリックお願いします。

にほんブログ村 花ブログ 山野草・高山植物へ
にほんブログ村

にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へ
にほんブログ村

ベニシタバ

宿舎の窓には部屋の明かりに誘われて毎晩様々な虫たちがやってくる。主には小型のガである。他にはアオカミキリモドキなどの甲虫、カワゲラなども見られた。これらを狙ってザトウムシも姿を見せていた。
15日夜、ベニシタバがやってきた。小さなガが多い中、ひときわ目立つ存在であった。
ベニシタバはヤガ科のガで、後翅が鮮やかな赤である。この仲間にはキシタバ、シロシタバ、ムラサキシタバがおり、皆前翅は地味なものの、それぞれ鮮やかな後翅を持っている。目玉模様は鳥を驚かせる効果があるというが、彼らの後翅も同じような役割を果たしているのだろうか。
フクロウみたいな顔である。

(後記:ベニシタバの科について、シタバガ科と書いていましたが、正しくはヤガ科です。失礼しました。)













ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村   よろしければクリックお願いします。

にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へ
にほんブログ村

2011年8月20日土曜日

トリカブト

河童橋からほど近く、上高地を貫く梓川の支流の清水川沿いでトリカブトが見ることができた。上高地に生育するのは、ヤチトリカブトという種らしい。その後、別の場所でも数多く生育しているのが確かめられた。川沿いなど湿った場所を好むようだ。
トリカブトは有名な毒草である。根が特に毒性が強く、花粉にまで毒が含まれるという。何と危険な植物だろうと思ってしまう。








マルハナバチ
トリカブトの花は非常に面白い形をしている。まるで宇宙人みたい、といったところだろうか。観察しているとトリカブトの花にマルハナバチが多数やってくる。そしてマルハナバチが花粉や蜜を得ようと花に頭を突っ込むと、ハチと花の形がうまい具合にフィットしているようだった。どうやらトリカブトとマルハナバチは共生関係にあるらしい。
ところでマルハナバチはトリカブトの毒にあたらないのだろうか。単にマルハナバチには影響しないのか、それとも実際には花粉には毒がないのか。気になるところである。








真ん中の花にマルハナバチがいる。



















ブログランキング・にほんブログ村へ    よろしければクリックお願いします。
にほんブログ村

にほんブログ村 花ブログ 山野草・高山植物へ
にほんブログ村


キンミズヒキ


キンミズヒキはバラ科の多年生草本である。上高地では林道沿いに多数生育していた。
ミズヒキとは赤い花をつけるタデ科の草本のことである。キンミズヒキは全く違う科の植物ではあるが、黄色い花をミズヒキのように房状に付けることからこの名前がついたのだろう。
キンミズヒキは林道沿いに多数生育している。逆に林道から奥の茂みにはあまり生育していないようであった。
キンミズヒキの実の上部には、動物や衣服に付きやすいように返しのついたトゲが生えている。つまりキンミズヒキはいわゆる「ひっつきむし」のひとつということであり、このような種子散布方法は、動物による種子散布の中でも特に「付着型」と呼ばれている。
人間が知らず知らずのうちにキンミズヒキの実を衣服に付け、それが歩いている途中で落下することで林道沿いに多数見られるようになったのではないだろうか。上高地ではサルなどの野生動物も数多くみられるから彼らの影響も否定できないが、年間約200万人は訪れるという人間の影響は絶大なのではないかと思っている。

花。
果実。上部に毛(トゲ)が確認できる。


















ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村   よろしければクリックお願いします。

にほんブログ村 花ブログ 山野草・高山植物へ
にほんブログ村

2011年8月19日金曜日

アサギマダラ Parantica sita


トイレ掃除前の休憩中、アサギマダラが飛んできて一緒に働いていたBes所属の方の汗を吸い始めた。
アサギマダラはマダラチョウ科の美しいチョウである。幼虫時代にガガイモ科のキジョランなどの有毒植物を食べるため、成虫も体内に毒を持つ。そのためか、外敵を気にしないかのようなゆったりとした飛び方をする。また、1000㎞以上の距離を移動する渡りチョウとしても有名である。


やってきたアサギマダラは次にバッグに染みついた汗を吸い始めた。アサギマダラは花に来るイメージがあったから少々驚いた。
突然空からやってきたお客さんに僕を含めたアルバイトメンバーは大喜び。さっそく撮影会が始まった。




ブログランキング・にほんブログ村へ
にほんブログ村    よろしければクリックお願いします。
にほんブログ村 その他ペットブログ 昆虫へ
にほんブログ村