初めてみるセツブンソウは予想以上に小さく、可憐なものだった。
2月25日
山梨県で観察したもの。民家の裏庭に生育していたものである。
大分咲いていたが、満開まではもう少しという感じで、日当たりの悪い場所ではまだほとんど開花していなかった。
次の埼玉県(秩父)で観察した個体の写真と見比べると分かるが、こちらの方がガク片(白い花びら状のもの)が細く、小さめなようだ。また、雄しべや葉の色など、全体的に青味が強いようにも見える。
3月3日
埼玉県(秩父)で観察したもの。日本最大の群生地とされている場所で生育していたものである。
まだ咲き始めであったためか、本来かかる入場料を払わずに観察することができた。
山梨のものとは先に書いたような違いがある。また、全体的にがっしりとした印象を受けた。(写真は埼玉の方が小さく写っていると思う)
ちなみに埼玉のセツブンソウが典型的で、山梨のものは少し変わっているらしい。
ここで、セツブンソウについて少し説明。
セツブンソウEranthis pinnatifidaは、キンポウゲ科の多年生草本。本州の関東以西に分布、石灰岩地を好む。花期は2~3月。
環境省のレッドデータで準絶滅危惧に指定されている。(県別に見ると、山梨では絶滅危惧Ⅰ類、埼玉で絶滅危惧Ⅱ類)
セツブンソウの花は少々変わっている。中心から構造を見ていくと、まず雌しべが突き出していて、その周りを多数のおしべが取り囲んでいる。
そして雄しべの周りを黄色い粒々が囲んでいるが、これが花弁、つまり多くの植物でいわゆる花びらとなっているものである。セツブンソウでは花弁が小さくて、また先端が2~4裂して先端が黄色い蜜腺となっている。そして、花びらのように見えるものがガク片、つまり多くの植物では花弁の外側に付属しているものである。セツブンソウではこのガク片が最も大きく目立つ存在になっている。
(ただし、ガク片が花びら状に目立つのはキンポウゲ科にかなり広く見られる特徴であり、セツブンソウに特有なものではない。)
写真は山梨県で撮影したもの。 写真をクリックすれば、赤字で書いた説明が読めるかと思います。
・参考
山に咲く花 山と渓谷社 写真/長田芳男 編・解説/畔上能力
日本のレッドデータ検索システム
http://www.jpnrdb.com/index.html
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