2013年3月29日金曜日

3月23日 農工大の植物

いつも通りキャンパス内の植物を観察した。

アマナAmana edulis
葉の存在には1年生の時から気づいていたが、アマナだと知ったのは今年になってから。花を見たのも初めてのことだ。
東京都でのランクは情報不足となっているが、各地で絶滅危惧種に指定されているユリ科の多年草だ。花の形はチューリップによく似ており、チューリップと同じ属(Tulipa属)とされることも。

学内のものは自生なのかよく分からないが、研究室の教授の話によれば少なくとも20年以上前からあるとのこと。 これからも咲き続けてほしいものだ。

ハナニラIpheion uniflorum
ユリ科の多年生草本。
アルゼンチン原産の帰化植物で、園芸店で球根で売られているのを目にすることも多い。

時々アマナと間違える人もいるようだ。個人的にはそれほど似ているようには思わないが、別名セイヨウアマナとも呼ばれるそうだ。


オオイヌノフグリVeronica persicaの白色型。
ゴマノハグサ科の越年生草本で、西アジア原産の帰化植物。
通常は下の写真のように鮮やかな青色の花を咲かせるが、白色の花の個体や中間型の色の個体も見られた。白色型は花のサイズが一回り小さかった。
最初は同属でやはり帰化種のコゴメイヌノフグリVeronica cymbalariaを疑ったが、花色を除いて通常のオオイヌノフグリと形態の差はなかったのでオオイヌノフグリでよいと思う。

白色型は品種のひとつと見てよいのだと思う。しかし、同じ株でも花色に変異が見られたことからしっかりと固定された特徴なのかは疑問である。また白色型の花のサイズは決まって小さかったこと、付近のヒメオドリコソウなどの新芽が黄色っぽくなっていたことから何らかの欠乏症や過剰症も考えられるかもしれない。


通常の花色。

キュウリグサTrigonotis peduncularis
ムラサキ科の越年生?草本。
花の大きさは2mmくらいと小さいが可愛らしい。


トウダイグサEuphorbia helioscopia
トウダイグサ科の越年生草本。

そのままでも少し変わった姿だが、拡大してみるとさらに面白い。
ぱっと見で花のように見えるのは花の集まりで、実際の花はもっと小さいものである。
根元から放射状に分かれた枝の先に花序(詳しくは杯状花序という)をつける。


左写真で説明すると・・・(間違っていたらすみません)
下にごろっとしているのが開花を終えて子房が膨らみ始めた雌花、その雌花とつながっているのが雄花の集まりであり(一つの雄花につき雄しべは1つ)、これでひとつの花序である。なお、花びらのように見えるのは腺体と呼ばれるものである。
左右に伸びているのは別の花序でこれから成長するものである。雌花はちょうど開花していて柱頭が確認できる。

このトウダイグサは白色のオオイヌノフグリと同じ場所に生えていたのだが、今日(29日)に見たところ草刈りがされてほとんど見る影もなかった。 特に希少種ではないと思うが、どこでも見かける植物ではないと思う(造成地にすぐ入ってくるような雑草ではなく、昔から管理されてきた畑の脇などで見ると思う)。校内でも他の場所ではほとんど見られなかったはずで、何とも残念だ。

他に見た植物(開花していた草本)。
・ショカッサイ(ハナダイコン、オオアラセイトウなどとも)(帰化) ・カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ) ・ホトケノザ ・ヒメオドリコソウ(帰化) ・タチイヌノフグリ(帰化) ・コハコベ(帰化) ・ミドリハコベ ・イヌコハコベ(帰化) オランダミミナグサ(帰化) ・オニタビラコ ・ヤブタビラコ ・スズメノカタビラ ・スゲ属sp(メアオスゲなど?)

参考
・日本帰化植物写真図鑑(2001年7月26日 第1刷発行) 全国農村教育協会
   〃第2巻    (2010年12月24日 初版第1刷発行)
・野に咲く花 (2008年20刷発行) 山と渓谷社
・「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)  http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html


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