そのひとつがソテツCycas revolutaである。鹿児島県内にはいくつか自生地(北限にあたる)があり、長崎鼻もそのひとつである。
自生のソテツを見られると楽しみにしてたのだが・・・
「自生地」の看板(前の写真のもの)のすぐそばには丸坊主のソテツが林立していた。
硬くて鋭い葉が通行の邪魔になったから剪定してしまったのだろうか、それにしても自生地というには残念な風景で一緒に訪れた研究室のメンバーは一同がっかり。そもそも自生にしては不自然なほどまとまって生育しているから、ここのものは植栽しているのかもしれない。
斜面に目を向けてみると、点々と生えていた。こちらは自生しているものだと信じたい。
お目当てのソテツには少々がっかりだったが、他にも様々な植物を目にすることができた。
これはマルバニッケイCinnamomum daphnoides。
クスノキ科の常緑小高木で、南西諸島のほかは福岡と鹿児島でしか見られないそうだ。
こちらはイソフサギBlutaparon wrightii。
ヒユ科の多年生草本で、こちらも分布は南西諸島のほかは和歌山県と薩摩半島(野に咲く花 山と渓谷社 には長崎鼻のみと書かれている)と南方系の種のようである。
他の植物がほとんど見られない海側の最前線で、文字通り磯(波打ち際)の岩の隙間をふさぐように生育していた。
図鑑の説明によれば南西諸島以外では和歌山とここ長崎鼻だけでしか見られないということだが、なぜこのような分布を示すのか謎である。和歌山まで分布するのだから、気候的に考えて高知や鹿児島の大隅半島などに分布していてもおかしくないと思うのだが。
その他にはハマツメクサ、ハマヒサカキ、ホソバワダン(多分)、ソナレムグラなど海岸性の植物が数多く見られた。
もうひとつ、個人的に面白かったのがカラクサケンFumaria officinalisであった。
ヨーロッパ原産の帰化植物で、一見すると在来のムラサキケマンにも似ている。他にもニセカラクサケマンとセイヨウエンゴサクという類似した帰化植物があるそうだが、特徴からして本種で良いと思う。
帰化植物ではあるが、図鑑でしか見たことがなかった植物なので実物を見ることができて感動した。西日本では普通に見られるものなのだろうか。
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