6月13日
イタリア最南のシチリア島での学会エクスカーション初日。
最初に訪れたのは、州都パレルモから西に20 kmほどのPozziloの海岸部。近くのパレルモ空港を離発着する飛行機を横に見ながら、石灰岩からなる海岸岩場の草本植生を観察した。
植物群落の主な構成種はLimonium sp. (イソマツ科イソマツ属)、Crithmum maritimum(セリ科)、Sporobolus sp. ?(イネ科ネズミノオ属?)、Sarcocornia sp. (ヒユ科)など。
Limonium sp.
地中海沿岸はイソマツ科の多様性の中心らしく、様々な種が見られる。
Sarcocornia sp.
低木。日本のアッケシソウによく似るが別属。
ヒユ科アッケシソウ亜科(Salicornioideae)には複数属が含まれるが、素人目には属の違いがよく分からない。
セリバオオバコPlantago coronopus L. ? (オオバコ科Plantaginaceae)
踏圧がかかる場所では、本種が生育していた。
Thapsia garganica L. (セリ科Apiaceae)
大きな翼を持つ果実が特徴的。
本種は海岸植物ではなく、内陸でもよく見かけた。
セイヨウマツムシソウ?Scabiosa atropurpurea L. ? (スイカズラ科Caprifoliaceae)
Sixalix属とする見解もあるようだ。
少し内陸の荒れ地には、外来種であるウチワサボテン(Opuntia sp.)が生育していた。奥に見えるイネ科は恐らくPennisetum setaceum(イネ科チカラシバ属)で、やはり外来種。
両外来種は、シチリアでよく目立つ外来種で、都市近郊では山の斜面で大群落を形成していることもあった。
陸側を見ると、切り立った岩山がそびえている。
海岸線間近に連なる石灰岩の岩山は、シチリア北西部の景観を特徴づける存在である。
シチリア空港に着陸するRyanair(ヨーロッパ最大のLCC)の飛行機。
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