3月10日
ニュージーランド北島の海岸でマングローブ林を観察した。
北島北部~中部の沿岸部に見られるマングローブ林は、南半球で最も高緯度に成立しているものであり、総面積は約6,300haに達する(http://www.nrc.govt.nz/For-Schools/School-information-packs/Mangroves/ 参照 2017/03/11)。
なお、沖縄県のマングローブ林の総面積は約800ha
(http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/saisei/documents/saisei05.pdf 参照 2017/03/11)なので、それよりもはるかに大面積で成立していることになる。
マングローブ林を構成する樹木はヒルギダマシAvicennia marina subsp. australasica(キツネノマゴ科)ただ一種である。ヒルギダマシは日本でも先島諸島に分布しているが、それとは別亜種になるらしい。
日本においては最も温暖な先島諸島にしか分布しないヒルギダマシが、ニュージーランドでは南限のマングローブ林を構成するのは不思議な感じがするが、亜種間で耐寒性などの生理的特性に違いがあるのかもしれない。(なお、先島諸島よりも北に位置する沖縄島や屋我地島では本種が国内移入種として野生化している(大川・林2016)ことから、日本におけるヒルギダマシの自然分布の範囲はその耐寒性とは一致していないらしい。)
砂浜の至る所に漂着していたヒルギダマシの種子。胎生種子と呼ばれるもので、樹上で発芽したものが海流で散布される。
マングローブ林の後背地には草本からなる群落が成立していた。主要な構成種はアッケシソウ属のSalcocornia australisなど。
Salcocornia australis(ヒユ科アッケシソウ属)。
Juncus sp.(イグサ科イグサ属)。
Plantago sp.(オオバコ科オオバコ属)
葉の形が独特なオオバコ。
他にもいくつかの植物を見かけたが、種判別はできていない。
隣接した干潟にはシギやチドリの仲間(オオソリハシシギ、ハシマガシチドリなど)が集まっていた。
<参考>
大川智史・林 将之 2016. ネイチャーガイド 琉球の樹木 奄美・沖縄~八重山の亜熱帯植物図鑑. 文一総合出版.
John Dawson & Rob Lucas 2012. Field Guide to New Zealand's Native Trees. Craig Potton Publishing.
http://www.nrc.govt.nz/For-Schools/School-information-packs/Mangroves/ (参照 2017/03/11)
http://www.pref.okinawa.jp/site/kankyo/saisei/documents/saisei05.pdf (参照 2017/03/11)
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