家の近くを流れるのが武庫川。
川岸の一角に池状によどんだ場所があり、草が生い茂って周囲と異なる雰囲気であったので少し観察してみることにした。
見つけた花をいくつか。
オオカワヂシャVeronica anagallis-aquatica
ヨーロッパ~アジア原産の帰化植物。
クレソンの名で知られるオランダガラシと一緒に繁茂していた。
特定外来生物に指定され、近年問題視されている草でもある。
有名なオオイヌノフグリと同属で、それに似た花を穂状に咲かせてなかなか美しい。
アゼスゲCarex thunbergii
卒論の調査地(青森)でも何度か出現した。
ハルガヤAnthoxanthum odoratum
ヨーロッパ原産の帰化植物。
カンサイタンポポTaraxacum japonicum
セイヨウタンポポも混生していたが、この場所では在来のカンサイタンポポの方が優勢だった。
実家の辺りで見かけるカントウタンポポより全体に華奢で色も淡い印象。
花の拡大。
総苞片(ガクのように見える部分)の先端(赤っぽく色づいている部分)に角状突起が無い、もしくはあってもごく小さいのが特徴。
トウカイタンポポ(ヒロハタンポポ)では角状突起がよく発達し、カントウタンポポでも小さい突起が付くそうだ。
(野に咲く花 山と渓谷社 参考)
カスマグサVicia tetrasperma
カラスノエンドウとスズメノエンドウの中間のような植物だということで、「カ(ラスノエンドウ」と「ス(ズメノエンドウ」の「間(マ)」の「グサ(クサ)」と名付けられたそうだ。
この場所ではカラスノエンドウとスズメノエンドウも生えていた。
カスマグサは関東にも分布しているが、僕自身は京都、鹿児島、兵庫でしか見たことがないため西日本や暖地に多い草、というイメージを持っている。実際はどうなのだろう。
カスマグサの花は、その大きさの割に非常に長い柄の先に付く。 そのため、カメラのピントが合わせづらく、さらに風でゆらゆら動くためにブレが起きやすいから撮影にはいつも苦労する。
スズメノエンドウも同様に花柄が長いが、カスマグサよりはがっしりしたイメージ。またカラスノエンドウの花は葉の付け根に咲く。
一見ムダにも見えてしまうヒョロッと長いカスマグサの花柄であるが、何のためにあるのだろうか。送粉昆虫との関係が気になるところである。
未開花だったり成長途中だったりで、種同定に不安が残る種も多かった。日をおいて再び観察しようと思う。
上記含め開花を確認した植物(記録した順)
ヒメオドリコソウ、ムラサキサギゴケ、ノミノフスマ、アゼスゲ、ハルガヤ、オランダミミナグサ、カスマグサ、カラスノエンドウ、オランダガラシ、コウガイゼキショウ?、キュウリグサ、オヘビイチゴ、コハコベ、コメツブツメクサ、ノヂシャ、アブラナsp、スズメノエンドウ、タネツケバナ(結実あり)、オオカワヂシャ、スイバ?、ナズナ(結実あり)、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、アリアケスミレ?、カンサイタンポポ、セイヨウタンポポ、スズメノヤリ、アオスゲ(結実あり)、ヒメウズ、スズメノテッポウ、オニウシノケグサ?、コオニタビラコ、ホトケノザ
参考
・山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花 監修/林弥栄 写真/平野隆久
山と渓谷社 2008年7月1日 20刷発行
・日本帰化植物写真図鑑 編・著 清水矩宏/森田弘彦/廣田伸七
全国農村教育協会 2001年7月26日 第1刷発行
引用(学名)
・BGPlants http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/index.html (2014年4月12日現在)
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