今回は8日の雪に関して書きます。
2月8日
朝。外を見てみると雪が積もり始めていた。気温は約-1.5℃、降雪時としてはいつになく低い。
ボタン雪とは異なるサラサラと細かい質で、テラスに積もった中には明らかに結晶が確認できた。
自分が住む関東南部平野部では、プラス気温で溶けかけた雪が降ることが多く、はっきりと結晶を見ることができる機会はなかなかないように思う。
黒い下敷きで雪を受け、結晶を観察した。
分類は「雨の科学 雲をつかむ話 武田喬男著」に載っていた降雪粒子の種類(メーソン1971)を参考にした。
デジタルカメラで接写。
今回見られた結晶の多くは針のように細長いものだった。「針状」や「角柱」と呼ばれるものであろう。
六角形の結晶も少なからず見られた。
これは「角板」と呼ばれるタイプと思われる。
いかにも雪らしい形をしたものも。ただ、この結晶が何に分類されるのかはよく分からず。
また表面のブツブツが目立った。これは、雲中の過冷却水滴が付着したものと思われ、このような結晶を「雲粒付き雪結晶」と呼ぶらしい。
今回使った分類のほかに、インターネット上には様々な雪結晶の区分が紹介されていた。
新しいところだと、2012年に菊池勝弘氏らが発表した「グローバル分類」があるそうで、機会があれば読んでみたいと思う。
ところで、なぜ雪の結晶の形は様々だったのか。
小林禎作氏が示した「小林ダイアグラム」(「雪は天から送られた手紙である」の言葉で知られる中谷宇吉郎氏の中谷ダイアグラムを拡張したもの)
によれば、雪の結晶の形は、形成時の気温や湿度に左右されるという。
今回見られた結晶のうち、「針状」や「角柱」は-3~-10℃の条件下で形成され、また湿度が高い(飽和している)時に針状となるそうだ。「角板」は0~-3℃、-10~-22℃の条件下で形成されるそうだ。ちなみにいわゆる雪印マークの「樹枝状」は-15℃前後で湿度が非常に高い時にできるとのこと。
ひとつの雲の中でも、高度や雲の濃さ(?)により温度や湿度が異なり、それに応じて様々な形の結晶が形成されて降ってきたのだろう。
2月9日
翌早朝。
アパートの周りでは30cm強は積もった。
アメダスで観測された積雪は千葉市で観測史上最大の33cm、東京で史上7位の27cm。
交通機関は大きく乱れ、人的被害も多発した。
美しい雪の結晶で僕を楽しませてくれた今回の大雪。同時に災害としての側面も痛感した。
参考
・雨の科学 -雲をつかむ話 武田 喬男著 成山堂 2005年5月28日初版、2006年7月28日初版第3刷発行
・Wikipedia 小林 禎作 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%8F%E6%9E%97%E7%A6%8E%E4%BD%9C(2014年2月19日現在)
・気象庁 過去の気象データ検索 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php(2014年2月19日現在)
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