10月上旬
津軽半島北端の竜飛岬近く。
青森県弘前市から外ヶ浜町に至る国道339号線の車道区間はここで一旦途切れ、「階段国道」として知られる歩行者専用通路(362段の階段)になる。
日本唯一の「階段国道」は、集落背後の傾斜地をジグザグに走っている。
斜面を覆う森林はエゾイタヤやヤマグワ、シナノキなどで構成されている。北日本の海岸林の代表的なタイプで、エゾイタヤ‐シナノキ群集Aceri glabri-Tilietum japonicaeMochida et Tohyama ex Ohno in Miyawaki 1987に当たる。
エゾイタヤAcer pictum ssp. mono(ムクロジ科)
道端に生える草の多くは、北日本の海辺や草原で見られる種だ。
国道沿いにはアジサイが植えられており、観光の目玉になっているようだが、自生する植物を観察するだけでも十分に楽しい。
ヒロハクサフジVicia japonica (マメ科)
エゾフウロGeranium yezoense var. yezoense(フウロソウ科)
ラセイタソウBoehmeria splitgerbera(イラクサ科)
オオバナノミミナグサCerastium fischerianum(ナデシコ科)
ゴマナAster glehnii(キク科)
他にはコハマギク、ジャコウソウ、キツリフネ、エゾイラクサ、オオイタドリ、エゾノヨロイグサ?などがみられた。
2019年10月8日火曜日
2019年9月20日金曜日
羽後三崎のタブノキ林、エゾイタヤ‐ケヤキ林
9月中旬
山形、秋田県境に位置する羽後三崎(灯台名などは三"埼"と表記)を訪れた。鳥海山からの溶岩が海に達し形成された岩礁海岸である。
当地の気候は対馬海流の影響により、東北地方日本海側でもっとも温暖になっている。最寄りのアメダス(にかほ)における1月、2月の月平均はそれぞれ2.2℃と2.3℃。
植生配分を大まかに説明すると、一番海側にススキやオオヨモギ、スカシユリなどから構成される草原が発達し、その背後にエゾイタヤ、ケヤキ、カシワなどで構成される落葉林が成立する。そして、海風が遮られる風背地にはタブノキ1種が優占する常緑林が成立する。
タブノキの分布は青森県深浦町に達する(環境庁 1988)が、まとまった群落としては日本最北にあたるらしい(東北森林管理局/タブノキ)。
カシワQuercus dentata (Fagaceae ブナ科)
海岸林の最前線を占めていた。
エゾイタヤAcer pictum subsp. mono (Sapindaceae ムクロジ科)とケヤキZelkova serrata (Ulmaceae ニレ科)からなる林。
植物社会学的にはエゾイタヤ‐ケヤキ群集、あるいはエゾイタヤ‐シナノキ群集に位置づけられると思われる。
高木層の高さは10 m前後。亜高木層や低木層にはマユミやヤマグワ、ハシドイ、チシマザサなどのほか、常緑林の構成種であるタブノキ、ヤブツバキもみられた。
タブノキMachilus thunbergii (Lauraceae クスノキ科)が優占する常緑林。植物社会学的にはイノデ‐タブ群集に当たり、日本の常緑広葉樹林としてはもっとも北に達している。
高木層の高さは15 m前後で、タブノキ1種で構成される。亜高木層ではヤブツバキが、低木層ではウリノキが優占していた。
草本層にはジュウモンジシダやタツノヒゲ、タブノキの稚樹などがみられた。
常緑広葉樹林を特徴づける種は少なく、低木層以下はむしろ冷温帯の森林との共通性が高いようだ。
低木層と草本層の様子。
高密度で生えるタブノキの稚樹。
太平洋側の北限に近い唐桑半島(宮城県気仙沼市)でも似たような様相だった。
林縁に生えるカラスザンショウZanthoxylum ailanthoides (Rutaceae ミカン科)
林縁ではカラスザンショウやアカメガシワMallotus japonicusなど、暖温帯の林縁を特徴づける樹木がみられた。
<参考>
・環境庁 1988. 第3回自然環境保全基礎調査 植生調査報告書(秋田県).
・東北森林管理局webサイト 管内の樹木図鑑 タブノキ.(http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/tabu.html)2019年9月閲覧
・植物和名ー学名インデックス YList (http://ylist.info/index.html)2019年9月閲覧
羽後三崎の常緑林。直径70 cm前後のタブノキが林立。
山形、秋田県境に位置する羽後三崎(灯台名などは三"埼"と表記)を訪れた。鳥海山からの溶岩が海に達し形成された岩礁海岸である。
当地の気候は対馬海流の影響により、東北地方日本海側でもっとも温暖になっている。最寄りのアメダス(にかほ)における1月、2月の月平均はそれぞれ2.2℃と2.3℃。
植生配分を大まかに説明すると、一番海側にススキやオオヨモギ、スカシユリなどから構成される草原が発達し、その背後にエゾイタヤ、ケヤキ、カシワなどで構成される落葉林が成立する。そして、海風が遮られる風背地にはタブノキ1種が優占する常緑林が成立する。
タブノキの分布は青森県深浦町に達する(環境庁 1988)が、まとまった群落としては日本最北にあたるらしい(東北森林管理局/タブノキ)。
カシワQuercus dentata (Fagaceae ブナ科)
海岸林の最前線を占めていた。
エゾイタヤAcer pictum subsp. mono (Sapindaceae ムクロジ科)とケヤキZelkova serrata (Ulmaceae ニレ科)からなる林。
植物社会学的にはエゾイタヤ‐ケヤキ群集、あるいはエゾイタヤ‐シナノキ群集に位置づけられると思われる。
高木層の高さは10 m前後。亜高木層や低木層にはマユミやヤマグワ、ハシドイ、チシマザサなどのほか、常緑林の構成種であるタブノキ、ヤブツバキもみられた。
タブノキMachilus thunbergii (Lauraceae クスノキ科)が優占する常緑林。植物社会学的にはイノデ‐タブ群集に当たり、日本の常緑広葉樹林としてはもっとも北に達している。
高木層の高さは15 m前後で、タブノキ1種で構成される。亜高木層ではヤブツバキが、低木層ではウリノキが優占していた。
草本層にはジュウモンジシダやタツノヒゲ、タブノキの稚樹などがみられた。
常緑広葉樹林を特徴づける種は少なく、低木層以下はむしろ冷温帯の森林との共通性が高いようだ。
低木層と草本層の様子。
高密度で生えるタブノキの稚樹。
太平洋側の北限に近い唐桑半島(宮城県気仙沼市)でも似たような様相だった。
林縁に生えるカラスザンショウZanthoxylum ailanthoides (Rutaceae ミカン科)
林縁ではカラスザンショウやアカメガシワMallotus japonicusなど、暖温帯の林縁を特徴づける樹木がみられた。
<参考>
・環境庁 1988. 第3回自然環境保全基礎調査 植生調査報告書(秋田県).
・東北森林管理局webサイト 管内の樹木図鑑 タブノキ.(http://www.rinya.maff.go.jp/tohoku/sidou/jumoku/shubetu/tabu.html)2019年9月閲覧
・植物和名ー学名インデックス YList (http://ylist.info/index.html)2019年9月閲覧
2019年8月9日金曜日
ハルツ山麓の二次草原
初日2箇所目の観察地は、Sankt Andreasberg近郊の草原。標高約600メートルに位置し、山地生の種が多く見られるとの説明を受けた。
最初のポイントではイネ科草本が優占し、植生高は1 m前後だった。Geranio-Trisetetum、もしくはMeo-Festucetumという群集に相当するらしい。
ホソムギLolium perenne (Poaceae イネ科)
日本では外来種。背後のイネ科はヌカボ属の一種Agrostis sp. と思う。
他にみられたイネ科は、ナガハグサPoa pratensis、カモガヤDactylis glomerata、カニツリグサ属の一種Trisetum flavescensなど。
イネ科の一種Poaceae sp.
属名が分からない…
Geranium sylvaticum (Geraniaceae フウロソウ科)
Rhinanthus minor (Orobanchaceae ハマウツボ科)
半寄生植物。
周囲に生える葉が細かく裂けた草はMeum athamanticum (Apiaceae セリ科)。強い芳香を持つ。
イブキトラノオBistorta officinalis (Polygonaceae タデ科)
Silene dioica (Caryophyllaceae ナデシコ科)
これらの他にはセリ科やマメ科(ViciaやTrifoliumなど)の草本が主要構成種だったと思う。
貧栄養と思われる立地では植生高の低い、別タイプの草原が成立していた。
優占種はNurdus strictaというイネ科草本。Polygalo-Nardetumという群集に相当すると思われる。
Nardus strictaの花序。
イネ科の中では特徴的な花序を持ち、花期や果実期なら識別は容易。
Galium hercynicum (Rubiaceae アカネ科)
Nardus草原を特徴づける種のひとつ。種小名はハルツに由来する。
なお、The Plant Listにおいては、G. saxatileのシノニムとして扱われているようだ(http://www.theplantlist.org/tpl1.1/record/kew-86462)。
Potentilla erecra (Rosaceae バラ科)
キジムシロの仲間。
Solidago virgaurea (Asteraceae キク科)
日本のアキノキリンソウの母種に当たる。
斜面地には灌木を伴う草原が成立し、種組成は先ほどの草原とは大きく異なっていた。
草刈りや家畜の採食が低頻度であることが植生の違いに関わっていそうだと感じたが、詳しい理由は聞きそびれた。
Vaccinium myrtillus (Ericaceae ツツジ科)
ブルーベリーの仲間。針葉樹林の林床にも多かった。
Calamagrostis sp. (Poaceae イネ科)
ノガリヤス属の一種。
Luzula sylvatica ? (Juncaceae イグサ科)
日本のスズメノヤリやヌカボシソウなどと同属だが、はるかに大型。
Polygonatum verticillatum (Asparagaceae キジカクシ科)
ナルコユリやアマドコロと同属。葉を4輪生する姿は独特で、初見ではアカネ科などを連想した。
ヤナギランChamaenerion angustifolium (Onagraceae アカバナ科)
Senecio hercynicus (Asteraceae キク科)
日本のキオンとよく似た種。種小名はハルツに由来。
Thesium sp. (Santalaceae ビャクダン科)
日本のカナビキソウと同属。ドイツにはThesiumが複数種分布するらしいが、どの種に該当するかは分からない。
斜面の一角には湧水によって湿性環境が形成されていた。
ここではJuncus(イグサ属)やCarex (スゲ属)、Lotus(ミヤコグサ属)、Ranunulus(キンポウゲ属)、Filipendula(シモツケソウ属)、Athyrium? (メシダ属?)などの草本が特徴的にみられた。
最後に沢沿いの林縁を観察した。
写真はDactylorhiza maculata (Orchidaceae ラン科)
「maculata」は英語で言えばspotted、日本語なら「まだら」とか「斑入り」の意味。斑入りの葉が種小名の由来になっている。
Succisa pratensis ? (Caprifoliaceae スイカズラ科)
マツムシソウの仲間。
Valeriana officinalis (Caprifoliaceae スイカズラ科)
和名はセイヨウカノコソウ。
Cicerbita alpina (Asteraceae キク科)
アキノノゲシなどと同属(Lactuca)とする見解もある。種小名が示すように山地性の種らしい。
Melampyrum sylvaticum (Orobanchaceae ハマウツボ科)
ママコナ属。
後日の観察地では同属のM. pratenseを見かけた。当初はM. pratense1種を観察したと思い込んでおり、M. sylvaticumの存在には図鑑と写真を見比べて初めて気が付いた。
主な識別点は以下の通り。
・上部の葉…M. pratenseでは荒い鋸歯が目立つ。M. sylvaticumでは鋸歯が発達しない(ことが多い?)
・花の特徴…M. pratenseでは長さ1-2 cm、外側は時に白色になる。M. sylvaticumでは長さ0.6-1 cmで全体黄色。
こちらは翌日にブロッケン山で観察したM. pratense
イタドリReynoutria japonica (Polygonaceae タデ科)とDigitalis purpurea (Plantaginaceae オオバコ科)
イタドリは欧州では外来種。
最初のポイントではイネ科草本が優占し、植生高は1 m前後だった。Geranio-Trisetetum、もしくはMeo-Festucetumという群集に相当するらしい。
ホソムギLolium perenne (Poaceae イネ科)
日本では外来種。背後のイネ科はヌカボ属の一種Agrostis sp. と思う。
他にみられたイネ科は、ナガハグサPoa pratensis、カモガヤDactylis glomerata、カニツリグサ属の一種Trisetum flavescensなど。
イネ科の一種Poaceae sp.
属名が分からない…
Rhinanthus minor (Orobanchaceae ハマウツボ科)
半寄生植物。
周囲に生える葉が細かく裂けた草はMeum athamanticum (Apiaceae セリ科)。強い芳香を持つ。
イブキトラノオBistorta officinalis (Polygonaceae タデ科)
Silene dioica (Caryophyllaceae ナデシコ科)
これらの他にはセリ科やマメ科(ViciaやTrifoliumなど)の草本が主要構成種だったと思う。
貧栄養と思われる立地では植生高の低い、別タイプの草原が成立していた。
優占種はNurdus strictaというイネ科草本。Polygalo-Nardetumという群集に相当すると思われる。
Nardus strictaの花序。
イネ科の中では特徴的な花序を持ち、花期や果実期なら識別は容易。
Galium hercynicum (Rubiaceae アカネ科)
Nardus草原を特徴づける種のひとつ。種小名はハルツに由来する。
なお、The Plant Listにおいては、G. saxatileのシノニムとして扱われているようだ(http://www.theplantlist.org/tpl1.1/record/kew-86462)。
Potentilla erecra (Rosaceae バラ科)
キジムシロの仲間。
Solidago virgaurea (Asteraceae キク科)
日本のアキノキリンソウの母種に当たる。
斜面地には灌木を伴う草原が成立し、種組成は先ほどの草原とは大きく異なっていた。
草刈りや家畜の採食が低頻度であることが植生の違いに関わっていそうだと感じたが、詳しい理由は聞きそびれた。
Vaccinium myrtillus (Ericaceae ツツジ科)
ブルーベリーの仲間。針葉樹林の林床にも多かった。
Calamagrostis sp. (Poaceae イネ科)
ノガリヤス属の一種。
Luzula sylvatica ? (Juncaceae イグサ科)
日本のスズメノヤリやヌカボシソウなどと同属だが、はるかに大型。
Polygonatum verticillatum (Asparagaceae キジカクシ科)
ナルコユリやアマドコロと同属。葉を4輪生する姿は独特で、初見ではアカネ科などを連想した。
ヤナギランChamaenerion angustifolium (Onagraceae アカバナ科)
Senecio hercynicus (Asteraceae キク科)
日本のキオンとよく似た種。種小名はハルツに由来。
Thesium sp. (Santalaceae ビャクダン科)
日本のカナビキソウと同属。ドイツにはThesiumが複数種分布するらしいが、どの種に該当するかは分からない。
斜面の一角には湧水によって湿性環境が形成されていた。
ここではJuncus(イグサ属)やCarex (スゲ属)、Lotus(ミヤコグサ属)、Ranunulus(キンポウゲ属)、Filipendula(シモツケソウ属)、Athyrium? (メシダ属?)などの草本が特徴的にみられた。
最後に沢沿いの林縁を観察した。
写真はDactylorhiza maculata (Orchidaceae ラン科)
「maculata」は英語で言えばspotted、日本語なら「まだら」とか「斑入り」の意味。斑入りの葉が種小名の由来になっている。
Succisa pratensis ? (Caprifoliaceae スイカズラ科)
マツムシソウの仲間。
Valeriana officinalis (Caprifoliaceae スイカズラ科)
和名はセイヨウカノコソウ。
Cicerbita alpina (Asteraceae キク科)
アキノノゲシなどと同属(Lactuca)とする見解もある。種小名が示すように山地性の種らしい。
Melampyrum sylvaticum (Orobanchaceae ハマウツボ科)
ママコナ属。
後日の観察地では同属のM. pratenseを見かけた。当初はM. pratense1種を観察したと思い込んでおり、M. sylvaticumの存在には図鑑と写真を見比べて初めて気が付いた。
主な識別点は以下の通り。
・上部の葉…M. pratenseでは荒い鋸歯が目立つ。M. sylvaticumでは鋸歯が発達しない(ことが多い?)
・花の特徴…M. pratenseでは長さ1-2 cm、外側は時に白色になる。M. sylvaticumでは長さ0.6-1 cmで全体黄色。
こちらは翌日にブロッケン山で観察したM. pratense
イタドリReynoutria japonica (Polygonaceae タデ科)とDigitalis purpurea (Plantaginaceae オオバコ科)
イタドリは欧州では外来種。
2019年8月7日水曜日
Bode Gorgeの植生と植物(前編)
7月12日
エクスカーション3日目はBode Gorge(Gorgeは渓谷の意)を歩いた。Bode川による浸食で顕著なV字谷が発達し、谷の深さは200 m前後にもなる。
地形が緩やかな場所では、河畔にクサヨシPhalaris arundinaceaなどで構成される植物群落が発達する。
クサヨシPhalaris arundinacea (Poaceae イネ科)
Impatiens glandulifera (Balsaminaceae ツリフネソウ科)
ヒマラヤ原産のツリフネソウの一種で、人の背丈前後に成長する。川沿いで群生していた。
Filipendula ulmaria (Rosaceae バラ科)
シモツケソウ属で、日本のオニシモツケに少し似ている。
流水中には沈水植物が生えていた。ホザキノフサモMyriophyllum spicatum (Halogaraceae アリノトウグサ科)とセキショウモの仲間Vallisneria sp. (Hydrocharitaceae トチカガミ科)だろうか。
Acer platanoides (Sapindaceae ムクロジ科)
近くの林縁にはカエデ属3種が生えていて、見分け方のレクチャーを受けた。ドイツに自生するカエデは3種だけらしく、一度覚えてしまえば同定は容易。
Acer pseudoplatanus
A. platanoidesとA. pseudoplatanusは至る所で見かけた。
Acer campestre
A. campestreも普通種だったが、前2種と比べると岩場や尾根といった乾燥地に偏って生えている印象を受けた。
ドイツのカエデと日本のカエデを節(属の一つ下の階級)で比較すると、Acer platanoidesとA. campestreはクロビイタヤA. miyabeiと同じ節、A. pseudoplatanusと同じ節に属する種は日本に分布しない。
エクスカーション3日目はBode Gorge(Gorgeは渓谷の意)を歩いた。Bode川による浸食で顕著なV字谷が発達し、谷の深さは200 m前後にもなる。
地形が緩やかな場所では、河畔にクサヨシPhalaris arundinaceaなどで構成される植物群落が発達する。
クサヨシPhalaris arundinacea (Poaceae イネ科)
Impatiens glandulifera (Balsaminaceae ツリフネソウ科)
ヒマラヤ原産のツリフネソウの一種で、人の背丈前後に成長する。川沿いで群生していた。
Filipendula ulmaria (Rosaceae バラ科)
シモツケソウ属で、日本のオニシモツケに少し似ている。
流水中には沈水植物が生えていた。ホザキノフサモMyriophyllum spicatum (Halogaraceae アリノトウグサ科)とセキショウモの仲間Vallisneria sp. (Hydrocharitaceae トチカガミ科)だろうか。
Acer platanoides (Sapindaceae ムクロジ科)
近くの林縁にはカエデ属3種が生えていて、見分け方のレクチャーを受けた。ドイツに自生するカエデは3種だけらしく、一度覚えてしまえば同定は容易。
Acer pseudoplatanus
A. platanoidesとA. pseudoplatanusは至る所で見かけた。
Acer campestre
A. campestreも普通種だったが、前2種と比べると岩場や尾根といった乾燥地に偏って生えている印象を受けた。
ドイツのカエデと日本のカエデを節(属の一つ下の階級)で比較すると、Acer platanoidesとA. campestreはクロビイタヤA. miyabeiと同じ節、A. pseudoplatanusと同じ節に属する種は日本に分布しない。
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