樹上生活者のカヤランを、近くで観察できる機会はあまり多くない。栽培下の環境は自生地のそれとは異なるものの、本種をじっくりと観察するよい機会であるといえる。
成長をしばらく追ってみた。
4月23日
約3週間前に拾った個体。
成長済みの葉4枚と、新葉1枚からなる。
新葉は今年出たのか、前年からあったのかは分からないが、ここでは今年1枚目の葉と仮定し、番号1を振る。
5月21日
1枚目の葉がほぼ伸びきった。
6月2日
2枚目の葉が出てきた。
7月8日
2枚目の葉が大分成長した。
7月27日
2枚目の葉がほぼ伸びきった。
3枚目の葉が出てきた。
葉に加え、新しい根が伸長を始めた。
8月24日
3枚目の葉が大分成長した。
9月29日
3枚目の葉がほぼ伸びきった。
4枚目の葉が出てきた。
新しい根の先端が、ヘゴ棒に付き始めた。
10月28日
4枚目の葉が少し伸びた。
根の伸長が著しい。
11月28日
4枚目の葉は、10月28日と比較してわずかに伸びた。
根はかなり伸長した。
先端の緑色の部分が少なくなったので、これからしばらくはあまり伸びないかもしれない。
4月から11月までの約7か月の間に、元からあった葉1枚が伸び、新しい葉3枚を出したことになる。冬季の成長速度が分からないので何とも言えないが、1年間で展開する葉は3-4枚、と考えることができそうだ。
野生化における展葉ペースについては、年2-3枚(4月-8月で1-2枚、9月-4月で1枚)との報告がある(松村・澤田 2009)。また、年3-4枚葉を展開するとの情報がweb上にある(「カヤランの一生」四国カルストで花道楽)。
我が家の栽培個体の展葉枚数は、これらと類似したものになった。
なお、web上には年に1枚だけ展葉する、との記述もある。これが正しい情報なのかは分からないが、個体の齢数や活力度、生育環境の違いなどによっては、ゆっくりと成長する場合もあるのかもしれない。
<参考>
松村俊和・澤田佳宏 2009. 風倒木着生個体から推定したカヤランの個体群統計
カヤランの一生
四国カルストで花道楽http://blogs.yahoo.co.jp/hanadouraku2/11660970.html(2015年11月閲覧)
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