その前に①で書き直した点。
樹木sp.1→Luma chewuen?に変更。
樹木sp.2→sp.1に変更。
種同定について全く自信はないのですが、葉の形状が類似していること、葉裏に黒っぽい腺点があるという特徴からひとまず本種としておきます。
では、新たな種について。
Uncinia sp.
カギ針状の雌しべ?が特徴的。
最初は科名すら分からなかったが、どうやらUnicinia属の一種らしい。
カヤツリグサ科の一属で、南米やオーストラリア、ニュージーランドなどに分布。ナンキョクブナに似た分布域を持つようだ。
日本では見られない属。
?
チランジア(エアープランツ)をミニチュアにしたような姿。
南米にはチランジアなどのパイナップル科の植物が分布するからその一つかもしれないが、単に葉っぱが折れて根元だけ残った植物にも見える。
Pinus radiata?
(ラジアータマツ?)
最初はイネ科などの草かと思ったが、どうやらマツの葉っぱらしい。
チリにはマツ属の樹木は分布しないが、Pinus radiataが広く植栽されているという。
Pinus radiataは3葉マツ(3枚の松葉が一か所から出る)で、今回見つけたものも3枚目の葉が取れたような痕があったから本種と考えた。
次はシダ。
シダsp. 1
日本のチャセンシダなどに少し似た雰囲気を持ったシダ。葉柄が随分と長いようだ。葉がどれも途中で折れていたため。全形がどのようなものかは分からない。
拡大。
胞子のう群は見られなかった。
シダsp. 2
①で紹介したJuncus sp. 1と並んで多く混入しており、湿地において主要な種であったと考えられた。
シダsp. 1以上にボロボロになっており、葉の全体像を読み取ることができなかった。
拡大。
この破片を見る限り、単葉(一枚葉)でなく複葉(小さな葉が集まっている)であることがうかがえる。
もう一枚拡大。
上と下の葉が同じ種類のものなのかは正直なところよく分からず、シダsp. 2に複数種が含まれている可能性もある。
こちらも胞子のう群は見当たらず。
シダsp. 3 (胞子葉?)
多くのシダは、葉裏に胞子を入れる胞子のうを付けるが、胞子をつける胞子葉と、光合成を行う栄養葉と、2種類の葉を持つ種も少なからずある。
シダsp. 3は葉脈が不明瞭で、また他のシダと比較して不自然にボロボロとなっており、胞子葉であると考えられた。
そのため、sp. 1やsp. 2とは別種としたものの、どちらかの胞子葉であった可能性も大いにありそうだ。
(参考) オオハナワラビの栄養葉と胞子葉
下についているシダの葉っぱらしい形のものが栄養葉、直立して黄緑色をしているのが胞子葉である。
シダの新芽(シダsp. 4?)
ゼンマイ状に丸まったシダの新芽も見つかった。sp. 1~3と別種なのか、いずれかの種の新芽なのかは分からない。
コケsp. 1(左)、sp. 2(右) (蘚類)
スギゴケなどに似たコケも混入していた。ミズゴケも同じ蘚類に属するが、それとは異なる種であった。
コケsp. 3 (苔類)
日本のウロコゴケなどを彷彿とさせる苔類と思われるコケ。
地衣類sp.
小枝についていた。日本でも樹木に着生するサルオガセなどの地衣類があるがそれに近いものだろうか。
ちなみに小枝そのものが今まで出てきた種と一致するのか、しないのかは分からない。
最後に
主役であるミズゴケ。
今回の観察で、ミズゴケを含めて15~17種の植物を見つけることができた。念入りに選り分けたわけではないので、見逃してしまった種もいくつかあるかもしれない。
数百円の買い物で、思いがけず地球の反対側の植物を見ることができてなかなかに面白かった。ちょっとした海外旅行の気分である(笑)。
チリを始め、海外の植物の自生する姿を見てみたいという気持ちが強くなった。
参考
・Wikipedia日本語版 ラジアータパイン http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%B3(2014年4月13日現在)
・Chileflora http://www.chileflora.com/(2014年4月12日現在)
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