2013年6月21日金曜日

塩生湿地の植物 青森にて


6月15日

青森県にて。
卒業研究として海岸の湿地を見て回る。そこで見た塩生地の植物を少し紹介。

ウミミドリGlaux maritima
日本では本州北部~北海道に分布。
白色の花弁に見えるものは萼片であり花弁はない。
草丈は大きいもので10cmくらい、群生していて可愛らしかった。


シバナTriglochin asiaticum
日本では北海道~九州に分布、とはいえ北方系の種であるそうだ。
写真は花茎。葉は分厚くて細い棒状になっている。
葉を少しちぎってかじってみたら、塩味とともにドクダミを思わせる香りが口に広がった。

ドロイJuncus gracillimus
日本では北海道~九州に分布。
泥地に生えることからこの名前がついたのだろうか。(今回見た感じでは塩生地に生えるのはほぼ間違いなさそうだったが、必ずしも泥地ではなかったようにも思う)
写真の真ん中の白いものが花(まだつぼみ)である。

ヒメキンポウゲHalerpestes kawakamii
北海道~千葉県にかけて分布する日本固有種。
別名はツルヒキノカサで、個人的にはこちらの名の方がインパクトがあって好きだ。
砂地を好むようで泥の多い湿地にはあまり見られなかった。

今回観察したうち、ヒメキンポウゲとシバナは環境省のRDBで絶滅危惧種に指定、ウミミドリとドロイも都道府県レベルでは各地で絶滅危惧に指定されている。
これらの種は南方に行くとそもそも分布が局限されていて、それが希少種扱いの理由のひとつかもしれないが、それ以上に問題なのが沿岸部の開発による生息地破壊だと思われる。

ちなみに、観察地はほぼ確実に2011年の東日本大震災時の津波を被っているが、その影響は特にないようだ。(震災前を見ていないから断定はできないが・・・)

参考
・日本の野生植物 平凡社 1983年


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