9月26日
北府中駅の近く、武蔵野線沿いのフェンスにコヒルガオを観察しに行った。少し前に研究室の先輩と植生調査をしている時に実が付いているのを見つけたのだ。
コヒルガオCalystegia hederaceaはヒルガオ科の多年生草本。市街地でもよく目にする花のひとつ。
コヒルガオとヒルガオはめったに果実を付けることがない。僕自身、高校生の時使っていた駐輪場のフェンスで見て以来2回目である。(その時見たのがコヒルガオかヒルガオかは残念ながら覚えていない)
めったに実を付けないのは、自家不和合性という自らの花同士で受粉しても種子が形成されない(受精しない)性質を持つためである。
一見すると大群落のように見えるヒルガオは、大抵の場合地下茎で増えた同一個体、つまりクローンであるため、果実を付けないのだ。つまり、果実をつけるためには異なる遺伝子を持つ別株が近くに存在することが必要となる。
では、今回見つけたコヒルガオはどのような要因で実を付けただろうか。
「日本帰化植物写真図鑑 清水矩宏/森田弘彦/廣田伸七 編・著 全国農村教育協会」
によれば、造園関係の植栽とともに由来の異なるヒルガオが持ち込まれることによる、と書いてある。つまり、半ば人為的要因で結実したということになる。 今回の事例も生育環境から考えて人為的要因が関わっていると考えるべきなのだろうか。
もうひとつ、ここでは詳しく書かないが「日本帰化植物写真図鑑」によれば、ヒルガオとコヒルガオの雑種や外国から来たヒルガオ(種としては同じヒルガオだが遺伝的に異なるもの)が見られるそうだ。
実を言うと今回観察したコヒルガオも花柄のひだが典型的なコヒルガオより目立たなかったり、葉やガクの形状が若干ヒルガオっぽい雰囲気がしたり(これらはヒルガオとの区別点になるそうだ)、ひょっとしてヒルガオとの雑種なのではないか、と思ったが比較してみないには分からない。
家に戻って撮影した種子。ひとつの果実に1~4個入っていた。大きさは4ミリくらいで、アサガオの種子を一回り小さくしたような見た目だ。果たしてまいたら発芽するのだろうか。
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