4月28日
数日前に学内でアズマネザサが開花しているのを見つけた。開花しているのはテニスコート周辺の一部。他のところでは開花は見られなかった。
イネ科らしい、何とも地味な花である。
アズマネザサ(Pleoblastus chino)は、関東地方で最も普通に見られるササで、いたるところでその姿を見ることができる。しかし、花を咲かせることはかなり珍しいようだ。僕自身、始めてみたように思う。(といっても僕は生まれてからまだ20年であるが・・)
竹の花は珍しいことで有名である。開花周期はモウソウチクでは67年、マダケでは120年など。そして開花・結実後は枯死してしまうという。同一の遺伝を持つ場合は開花時期がほぼ一緒になるので、地下茎が伸びることで広がった竹林は、一斉に開花・結実し、枯死してしまうということになる。
では、アズマネザサはどうなのだろうか。
学内において開花は一部でしか見られなかった。これは、学内に複数の株(別々の種子から発芽した遺伝的に異なる株)が生えていたからなのか、それとも、そもそも竹のように一斉に開花するということがないのか。
僕が見た感じでは、花が咲いている隣で葉っぱの新芽が多数出始めていて、枯死する雰囲気はあまりなかった。 だから、竹のように一斉に開花するのではなく、バラバラと開花する、もしくは開花しても枯死しない、ということではないかと思う。
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2 件のコメント:
こういう状態の開花場所はたくさんあって。毎年咲いている。毎年刈り込みしているような場所だと枯れることは少ない。穂の出始める十月から咲き始める3月までに刈り込むとまず枯れないと思う。
玉川上水のところでは数十平方メートルの開花枯死が十年で7箇所ほどあったかな。(1996-2005)山の裾野辺りで探すとたくさん見つかるかもしれない。山を少し入ると、ミヤマクマザサとかスズタケとか別の笹になってくるから。アズマネザサは山の麓の部分や稜線上の日当たりのいい部分に限定される。
アズマネザサは平地では3月上旬から4月中旬までの二週間のものと。四月下旬から始まって6月終わりとか7月初めまで咲いているものと、時期関係なく穂が出て咲いているものもある。
このうち、3月から咲くものだけが枯れる可能性があるのだけど、場所による。
一年で枯れる場所、何年か咲いて枯れる場所、十年以上咲き続けて結局枯れなかった場所。いろいろ。
アズマネザサの本来の開花はたぶん刈り込みのない場所でしか見られないと思う。アズマネザサの穂は前年の十月くらいから準備されて3月に咲く。枯れる場所と枯れない場所に分かれて枯れなかった場所は翌年も開花してくる。だいたい3年以内に枯れるかな。隣接した部分が開花してきて全体として開花が5年以上になる場合もある。
ただ、場所によるばらつきが多すぎて一般化はできない。開花規模はいろいろ。数平方メートルから数百平方メートルまでは確認したけど、ほかの笹のように数ヘクタールを超える規模の開花があるかのかは不明。
十五年くらい観察したけど、法則らしきものはあんまりなかった。結実割合はかなりばらつきが多い。ただ、ほかの笹と比べるとかなり悪い。(最大でも1割くらい)種をまくと虫食いが無ければほぼ発芽する。でも、開花地では実生は見つからなかった。
匿名さん、詳しいコメントをありがとうございます。 アゼマネザサの花を確認したのは今回が初めてで、かなり珍しいことだと思ったのですが、その後(主に5月中)に何か所かで開花しているのを見つけたので、今まで気づかなかっただけで案外咲いていると感じました。 タケ・ササは開花周期が長くて花は珍しいものだと思っていましたが、アズマネザサの場合刈り込みがされている場所ではよく見られるということですね、勉強になります。今年の春も開花するか観察したいと思います。
夏に八ヶ岳の林床でアズマネザサ以外のササ(種類は分かりませんが)が一部開花しているのも見つけました。何を引き金に開花しているのか気になるところです。刈り込みなど植物体の存続に危険な条件を察知し、種子繁殖にシフトするのではないかなどと考えたりしていますが。
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