1月中旬、八重山諸島にてハテルマギリGuettarda speciosaやサガリバナBarringtonia racemosa、サキシマスオウノキHeritiera littoralisなどの実を拾った。発芽させるために袋に入れ、湿り気を保った状態で保管している。
2月20日頃、袋の中にガガンボの一種(Tipulidae sp. )がいることに気がついた。
体長は約1 cmで翅はまだら模様。
初めのうちは偶然入り込んだのだろうと気に留めていなかったが、1週間のうちに8匹まで増え、無視できなくなった。
サガリバナの果実に脱皮殻が付いており、脱出跡と思われる穴も空いていた。ここが発生源のようだ。
1個の実から8匹羽化したということは、たまたま蛹が付いていたのではなく、サガリバナの実を積極的に利用していると考えられそうだ。
ガガンボ類の幼虫の食性はよく知らないものの、かなり変わった生態の種だと思う。
2019年3月 追記
発生したガガンボはLibnotes属の一種との情報をいただいた。
現在、共同研究として論文化している。
2020年3月 追記
本記事の内容を含む論文が出版されました。
「Suetsugu K., Tetsu S., and Sueyoshi M. 2019. Fruit‐ and seed‐feeding habit of the crane fly Libnotes puella (Diptera: Limoniidae) in Ryukyu Islands, Japan. Entomological Science, 22(4), 413-417.」(https://doi.org/10.1111/ens.12387)
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