先日から次々と種子を放出しているヒメシロアサザNymphoides coreana 。
前回の記事(→リンク)で、種子が表面張力によって水面に浮かび、水の流れで散布されるらしい、ということを書いた。
では、果実から出た種子がどのようにして水面へと達するのだろうか。
ヒメシロアサザの果実。
まず、果実を付けた花柄が水面近くまで伸び、果実が水面で割れることで種子が浮かぶのではないか、と考えた。
しかし、少なくとも我が家の栽培株においては、成熟したと思われる果実を付けた花柄も多くが下を向き、水面近くまで達することはなかった。
そこで、水中で果実が割れた場合に種子がどのように水面へ到達するのかを確かめることにした。
果実が割れる瞬間をずっと待ち続けるわけにはいかないので、果実を水中で強制的に割ることにした。
果実に割れ目を付け、種子を押し出す。
すると、種子とともに気泡が姿をあらわした。
種子をまとった気泡はそのまま水面へと上昇、気泡がはじけると同時に種子は水面に浮かび上がった。
外部から空気が入り込まない水中での実験であり、自然状態でもこれに近い形で水面へと運ばれるのではないかと思う。
種子ではないが、沖縄の海に生えるウミショウブは、水中で形成された雄花が気泡とともに浮かび水面を滑走して雌花にたどり着くことで有名で、時々メディアでも紹介される。
ヒメシロアサザの種子散布はそれを彷彿させるもので、興味深いものだと思った。
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