ブロッケン山の山頂近く。オウシュウトウヒの樹高が低くなってきた。
森林限界(高木限界)は標高約1100 mにあり、そこから標高1142 mの山頂にかけて草原が広がる。
ブロッケン山頂の夏場の月平均気温は約12℃で温度的には針葉樹林が成立するはずだが、強風などの厳しい気象条件によって高木の生育が妨げられている。
Pulsatilla alpina ssp. alba (Ranunculaceae キンポウゲ科)
オキナグサやツクモグサと同属。果実を付けていた。
Campanula scheuchzeri ? (Campanulaceae キキョウ科)
草丈が低く花数は少ないが、個々の花は大きい。萼片は長く糸状。
ドイツにはイワギキョウに似たホタルブクロ属が3種あるらしいが、これらの特徴から本種と判断した。
スイバ Rumex acetosa (Polygonaceae タデ科)
本種は低地から山地まで、あらゆるところに生えていた。ブロッケン山頂のものは赤みが強くて草丈が低く、高山植物的な姿をしていた。
コウリンタンポポ Hieracium aurantiacum (Asteraceae キク科)
右奥に写る黄色い花もHieraciumの一種と思う。
日本には帰化植物として生え、北海道では勢力が強い。ドイツでは路傍雑草としてはあまり見かけず、山地草原の構成種としてつつましく生育しているように見えた。
イブキトラノオBistorta offcinalis (Polygonaceae タデ科)
Gentiana lutea (Gentianaceae リンドウ科)
高さ1 m前後に達する大型草本。草原の中でひときわ目立っていた。
本種の草体や根は日本のリンドウ類と同じく苦みを持ち、薬用や香りづけに使われているらしい。ビールの味付けといえば今はホップだが、それ以前は本種も使われていたとのこと(Wikipedia 英語版より)。
イネ科の何かPoaceae sp. (Poaceae イネ科)
ヌカボ属Agrostisあたりかと思うが分からない。確認中。
Carduus defloratus ? (Asteraceae キク科)とマルハナバチの一種Bombus sp.
マルハナバチは低温でも活動が可能なので、山頂の草原では重要なポリネーターのようだ。
ブロッケン山頂にはBrocken Gardenという植物園があり、世界各地の高山植物が植えられている。管理が行き届いていることに加えて高山植物の生育に適した気候下にあるためか、いずれの植物も元気よく育っていた。
残念ながら、植物園から逸出した植物もいくつかあるようだ。
ブロッケン山には山頂近くまで線路が引いてあり、蒸気機関車が走っている。
私を含めたエクスカーション参加者も機関車で下山した。
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