2012年3月16日金曜日

セッケイカワゲラ Eocapnia nivalis ?

3月11日
大学の友人たちと長野県北部へスキーに行った。前回滑ったのは中学1年のことだから、実に7、8年ぶりということになる。
天候は晴れ。気温はそれなりに高く、ゲレンデは溶けかけてザラメ状になっていた。

昼過ぎ、林の間を抜けるコースで一休憩しているときに雪面を小さな虫が歩いているのを発見した。 セッケイカワゲラである。
小学生の頃、白馬や小谷など長野北部へ春スキーに行くと必ず目にした、なじみの虫である。

セッケイカワゲラはクロカワゲラ科の昆虫。いくつか種類があるらしい。幼虫は他のカワゲラの仲間と同様川底で暮らすが、成虫が冬期に雪上で生活するという特異な生態を持っている。また成虫になっても一般のカワゲラと異なり翅がない。



気温の低い冬期に活動するというのは、昆虫としては随分と変わった生態だ。一般に外気温に体温が左右される昆虫は、低温条件では活動するのが難しいからだ。 
セッケイカワゲラの体色は黒っぽい。黒ければ太陽光により温まりやすくなる。それにより活動を可能にしているのかとも考えたが、あるサイトに書かれた研究者の記事(リンク)を参考にすれば、体温は外気温と同じであり、低体温でも活動できる仕組みを備えているそうだ。活動適温は-10℃~+10℃で、むしろこれより気温が高くなると活動できなくなるそうだ。

今回は見ることができなかったが、セッケイカワゲラのほかにもクモガタガガンボやタマバチの仲間など、様々な昆虫たちが雪上という特殊な環境で生活している。
冬期、また雪上という環境は一般の昆虫には生活しにくいものだろう。しかし一方で、この特殊な環境に適応をした昆虫にとっては競争相手の少ない楽園といえるのかもしれない。


14:46 友人とともに黙禱。


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