シチリアの砂浜では波打ち際側から順に、
①Cakile maritimaやSalsola soda ?などが散生するエリア
②Eryngium maritimumやAmmophila arenariaが主に優占し、Medicago marinumやOnonis variegata、Euphorbia paralias、Elytrigia junceaなどの草本も生育する草本群落
③Ephedra fragilisやRetama raetam subsp. gussonei、Juniperus macrocarpaなどの低木が優占し、Asparagus stipularisなどのつる植物や、その他様々な草本が生育する低木群落
が見られた。日本の海浜植生と比較すると、地面を這う”つる”植物(例えばハマゴウ、ハマヒルガオ、ハマエンドウ)が非常に少なく、茎が立つ草本が多いのが印象的である。日本との共通種はハマヒルガオやハマビシなど少数に限られ、そのうちハマヒルガオは見つけられなかった。
Cakile maritima(アブラナ科オニハマダイコン属)
一年草
日本では同属のオニハマダイコンが外来種として、やはり砂浜でみられる。
Salsola soda ?(ヒユ科オカヒジキ属)
一年草
日本には同属のオカヒジキが分布。
Eryngium maritimum(セリ科)
多年草?
草体には鋭いトゲが多く、かつ紫色を帯び、ひときわ存在感を放っていた。キク科のように見えるがセリ科。
日本には見られない属。
Ammophila arenaria(イネ科オオハマガヤ属)
多年草。
英名はEuropean beachgrass。日本には同属で北米原産のオオハマガヤが導入されている。
ハマニンニク(日本の在来種)と似た姿をしている。
Euphorbia paralias(トウダイグサ科トウダイグサ属)
多年草。
小さな葉が茎に整然と並ぶ様が格好良い。
Ononis variegata(マメ科)
一年草?
小型のマメ科草本。生育期の終盤で枯れかかっていた。
砂浜には多くの一年草が生育していたが、それらの生育期は冬から春にかけてで、ほとんどが枯れていた。
Ephedra fragilis(マオウ科マオウ属)
低木。
地中海沿岸にマオウの仲間が生えていることは知らなかった。より内陸側にはギョリュウ(Tamalix)の仲間も生育しており、地中海沿岸が中国内陸部から続く乾燥地帯の延長に位置することを感じさせられた。
Retama raetam subsp. gussonei(マメ科)
低木。
マオウに似た姿をしたマメ科木本。
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