家族との散歩のついでに藤沢市内の水田の植物を観察した。この時期は大抵の種が花を付けていないので、なかなか種類が特定できなくて難儀する。花期の姿が載った図鑑は多いものの、幼植物の段階が載っている図鑑はあまりない。
春先に花が咲いた状態を観察して、来年からはきちんと同定できるようになりたい。
タネツケバナ Cardamine scutata (アブラナ科)
水田内のあちこちに生育していた。花期は春のはずだが、開花している株も多かった。
スズメノカタビラ Poa annua (イネ科)
タネツケバナと並んで多く見られた種。こちらは開花しているものは少なかった。多くのイネ科と同じくあまりぱっとしない花だが、拡大してみると紫に色づいて意外ときれいだ。
ヒロクチゴケ Physcomitrium eurystomum (ヒョウタンゴケ科)
ヒロクチゴケ、でいいと思うが、アゼゴケなどの類似種もあるそうだ。僕にとってコケはほとんど未知の領域である。
胞子体(コケの花)は、みずみずしく、よく見る他の蘚類(といっても具体的な種が挙げられないが・・・)の胞子体に比べて弱々しいように見えた。周囲にはしぼんだような胞子体や、柄だけになったものも多く見られた。蘚類の胞子体は頭の帽子がぱかりと外れてそこから胞子が飛び出すイメージがあるが、この種はどのように胞子を散布するのだろうか。
他に水田内で観察した種。 ・オランダガラシ ・セリ ・ノミノフスマ ・タガラシ ・キツネノボタン
昨年春(5月)に観察した時には、カワヂシャ、オオカワヂシャ、ムシクサ、スズメノテッポウなども観察できたので、これらの幼植物も既に芽生えていたかもしれないが、分からなかった。
近くの遊水地を歩いたところ、環境省のレッドデータで準絶滅危惧種に指定されているタコノアシ Penthorum chinense
の群生を見ることができた。既にほとんど種子を散布し終えて枯れていたが、「蛸の足」の由来になった花序の形状が印象的だった。
ちなみにこの種はユキノシタ科に分類されたり、ベンケイソウ科に分類されたりと、なんの仲間なのか様々な説があり、DNAの解析による分類では独立したタコノアシ科として扱われるそうだ。
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