2012年11月30日金曜日

虫こぶからハチが羽化しました(クヌギハケタマバチ?)

11月30日
虫こぶの一種、クヌギハケタマフシ(以前の記事で紹介しました)を入れたケースを見たら小さな黒いハチが歩き回っていた。虫こぶを確認してみると、ひとつに新しい穴があいていた。虫こぶから発生したということで間違いなさそうだ。

これが、虫こぶから発生したハチである。体長は約3mm、翅を入れると5mmくらい。思っていたよりは大きいな、というのが第一印象だった。


側面から見た様子。腹は随分と丸っこい。
ところで、このハチは虫こぶを作ったクヌギハケタマバチなのだろうか?調べてみると、虫こぶにさらに寄生するハチも存在するらしい。インターネットで軽く検索した限りではこのハチがクヌギハケタマバチなのか、別の種類なのかは分からなかった。
明日辺りにでも、大学の図書館の図鑑で載っているかどうか調べてみようと思う。





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2012年11月23日金曜日

トホシテントウの越冬形態は?

白っぽくなっているのがトホシテントウの食痕
11月22日 大学のキャンパス内の中庭の木や林床にはキカラスウリが多数生育している。
キカラスウリTrichosanthes kirilowii var. japonicaはウリ科の多年草。カラスウリに似ているが葉の毛はまばらで光沢があることで区別できる。

成虫
このキカラスウリや一緒に生えているアマチャヅル(これもウリ科)に見られたのがトホシテントウである。
トホシテントウEpilachna admirabillisはテントウムシの仲間としては珍しく、ウリ科植物をエサにする植物食性の種である。翅に10個の大きな黒い斑点があることからこの名がついた。ナス科植物の害虫として有名なオオニジュウヤホシテントウなどが近縁である。
大きさの違う3匹。

今回観察したところ、成虫は1匹だけしか見られずほとんどが幼虫だった。(トホシテントウの幼虫はナナホシテントウなどの幼虫とは似ても似つかぬトゲだらけの姿)
しかも幼虫の大きさはまちまち。テントウムシの幼虫は4齢幼虫まであるらしいから、今回見たのは2~4齢幼虫なのだと思う。
観察した時は蛹や成虫で越冬するものだと思っていたから、小さい幼虫たちはまもなく食草が枯れてしまうのにどうするのだろうか、このまま死んでしまうのだろうか、などと考えていたが、あとで調べてみたらトホシテントウは幼虫で越冬する種だとのことで、一応納得した。

それにしても小さな幼虫たちはうまく冬を乗り切れるのだろうか?小さい個体も沢山見られたから恐らく大丈夫なのだと思うけれど、ちょっと心配にも思う。 それと、1匹だけいた成虫はどうなるのだろう。単なる生き残りでやはり冬には死んでしまうのだろうか。

2012年11月18日日曜日

11月16日 多摩丘陵にて

友人とともに京王線の平山城址公園駅から坂を上り、晩秋の雑木林を歩いた。
タンキリマメ
さすがに11月中旬ともなると花はほとんど見られなかった。咲いていたのはキク科のシロヨメナ(イナカギク?)やメナモミ、タデ科のアキノウナギツカミくらい。また、ヤマツツジとタチツボスミレが狂い咲きしていた。
あちこちで目立っていたのが、ノササゲ(左写真)、それにタンキリマメ。
どちらもマメ科のつる性草本である。マメ科にしては随分と鮮やかなサヤとタネを付ける。これは、鮮やかな見た目で鳥に運んでもらう戦略なのだ、と本には書いてあった。マメ科だから当然乾いて硬い種子なわけで、見た目だけ美味しそうにして鳥を騙そうということらしい。
アキノウナギツカミ(殆ど実になっている)

僕と友人の狙いは木の実であった。しかしそれもほとんど見つからず、あったのはガマズミ、ナツハゼ、ムラサキシキブくらい。
ガマズミは酸味が強かったがなかなか美味しかった。ナツハゼはブルーベリーと同じスノキ属(Vaccinium)なので期待していたのだがかなり渋かった。それでも皮を食べなければ酸味は強いものの渋みはあまりなく、まあまあといったところ。ムラサキシキブは無味無臭。 いずれの果実もとても小さなもので腹の足しにはならなかったが、それなりに楽しむことができた。今度はアケビなども食べてみたいものだ。





キッコウハグマの実


















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2012年11月4日日曜日

クヌギクチナガオオアブラムシ(補足の観察)

前回紹介したクヌギクチナガオオアブラムシについての補足になります。

なかなかクヌギの幹から離れてくれない、と書いたが、後日再びつついてみたら何匹かが落ちた。それを捕まえたのがこの写真である。(手の平が拡大されて恥ずかしいですが・・・) 非常に口吻が長いのがお分かりいただけるだろうか。

写真だと分かりづらいと思うので、ペイントで図にしてみた。
少し口の長さを誇張して書いてしまったが、大体このような感じでいいと思う。
観察した個体が幼体だから、成体に当てはまるのかは分からないが、口の長さは体長の4倍くらいはありそうである。 口吻が長いとは聞いていたが、さすがにここまでのものだとは思わなかった。

ところで、幹から離れたアブラムシは再び幹に口を刺すことができるのだろうか。できるとしたら、どのように行うのだろうか。これだけ長いと足を踏ん張って刺すことができない気がするが、カイガラムシと違ってしっかりとした移動能力を持つのだから何かしらの方法があるのだろうと思う、しかし見当がつかない。



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2012年10月31日水曜日

クヌギクチナガオオアブラムシとクロクサアリ

10月27日
学内のクヌギの幹をふと見てみたら、黒光りしたアリが集まっていた。触るとサンショウに似たにおいを発した。恐らくクロクサアリLasius spathepusであろう。類似種にクサアリモドキという種があり、腹柄節(ふくへいせつ)という、腹部と胸部の間にある突起の形で見分けるそうだ。この日はそれを確認できなかったので、また今度観察してみたい。


アリたちが集まるクヌギの幹のくぼみには大柄なアブラムシがいた。

クヌギクチナガオオアブラムシ
Stomaphis japonica というアブラムシであるらしい。大きなものは体長4~5mmくらいはありそうな大柄のアブラムシである。
アブラムシを捕まえて観察してみようと枝でつついたら、クロクサアリが激しく攻撃してきた。日本産アリ類画像データベース(http://ant.edb.miyakyo-u.ac.jp/J/Taxo/F80613.html)を参考にすると、クロクサアリはこのアブラムシの出す蜜(甘露)を定常的な餌源としているそうで、その存在は大きいのだろう。

さて、アリの隙間をぬってアブラムシを幹から離そうと繰り返しつついたが、頭を中心に回転して動くだけで全く離れる気配がなかった。大抵のアブラムシは群れをつついた瞬間にポロポロと落ちる個体がいるものだが、この種にはそのような行動は全く見られなかった。
後日調べてみると、クチナガオオアブラムシは自分の体長を超えるような長さの口吻(口)を持つそうだ。幹から樹液を吸うと考えると長い口吻が必要なのは確かにそうだな、と思う。いくらつついても頭を中心にして動き、決して幹から離れなかったのはこれが理由なのだろう。
口が長すぎて幹から離れられないのだとしたら、つまりは外敵に襲われても他のアブラムシのように落下したり歩いたりして逃げることができないということになる。もしもアリの庇護がなければテントウムシなどに容易に捕食されてしまうのではないかと思う。

クヌギの幹をくまなく見てみたが、アブラムシはクロクサアリがいる場所にしか見られなかった。もしかすると、アリがいない場所にもいたのかもしれないが、その数はかなり少ないのだと思う。 クロクサアリにとってアブラムシは重要な相手(エサをもたらす)だが、アブラムシなしでも他に様々なエサを食べることができるはずだ。一方、クチナガオオアブラムシはアリの保護なしでは恐らく天敵に対してあまりに無防備である。ほぼ完全にアリに生活を依存していると言っていいのかもしれない。 長い口吻を持つことで、普通のアブラムシには困難な樹木の幹からの吸汁ができるようになった代わりに、アリなしでは生きられなくなってしまったらしい不思議なアブラムシである。


追記
後日に幹から離れたアブラムシを見つけたので別記事にしました。よろしければ見てください
こちら

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2012年10月22日月曜日

クヌギハケタマフシの生活史(自身の備忘録を兼ねて)

先日、虫こぶの一種のクヌギハケタマフシを紹介したが、日本原色虫えい図鑑(湯川 淳一・桝田 長 編著 全国農村教育協会 1996年6月21日 初版第一刷発行)に詳しく解説があったのでまとめてみる。

クヌギハケタマフシは、クヌギハケタマバチNeuroterus vonkuenburgi Dettmer(1934)というタマバチ(小型のハチの一種)によってクヌギの葉裏に作られる虫えいである。ただし、クヌギハオオケタマフシという酷似した種類があるので同定には注意を要する。(正直、僕が見つけたのがどちらなのかは分からないです・・・)
形状はほぼ球形、上方に向かってわずかに細くなり、長短に凹みがある。表面には白色微毛、直径8mm、幼虫室の直径2.5mm。→(僕が虫こぶを割って出てきた繭のようなものは恐らくこの幼虫室である。)


このクヌギハケタマフシの生態は随分と変わっている。
クヌギハケタマフシクヌギハケタマバチの単性世代に形成されるもので、両性世代に形成されるものはクヌギハナカイメンフシという全く異なった見た目のものであるらしい。ちなみに、両性世代のクヌギハケタマバチはクヌギハナカイメンタマバチと呼ばれるからややこしい。
つまり、Neuroterus vonkuenburgi というタマバチは、単性世代はクヌギハケタマバチと呼ばれ、両性世代はクヌギハナカイメンタマバチと呼ばれるということである。

詳しく説明すると・・・

・9月下旬ごろから落下する虫えい(クヌギハケタマフシ)の内部で、11月にタマバチは羽化する。(和名を使うとややこしいのでタマバチで統一する。)
・虫えい内で越冬したタマバチは翌3月に出現、クヌギの花芽に産卵する。ちなみに、この時羽化するのはメスだけで、交尾を経ず産卵を行う。そのため、単性世代と呼ばれる。
・萌芽と同時に雄花に虫えいが出現する。(クヌギハナカイメンフシ)
・5月下旬~6月上旬に虫えいからタマバチが羽化する。この時は雌雄両方が羽化し、交尾を経てクヌギの若葉の裏面に産卵する。そのため、両性世代と呼ばれる。
・7月中旬ごろから葉裏に虫えい(クヌギハケタマフシ)が出現する。

と、いうことになる。
同じタマバチによって、2種類の虫こぶが作られるというわけだ。図鑑によれば、本種に限らずタマバチのかなりの種が時期によって単性世代、両性世代を持ち、異なる虫こぶを形成するとのことである。


追記
関連する記事を書いているので、リンクを貼ります。よければご覧下さい。
「クヌギハケタマフシ」 (2012年10月)
「虫こぶからハチが羽化しました(クヌギハケタマバチ?)」 (2012年11月)
「クヌギハケタマフシから羽化したハチ(その2)」 (2013年4月)

参考
日本原色虫えい図鑑(湯川 淳一・桝田 長 編著 全国農村教育協会 1996年6月21日 初版第一刷発行)

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2012年10月17日水曜日

クヌギハケタマフシ


10月11日
大学構内のクヌギの下に大量に落ちていた。クヌギに見られる虫こぶは何種類かあるそうだが、特徴からしてクヌギハケタマフシだと思う。

クヌギハケタマフシは、クヌギハケタマバチという小さなハチによって形成されるもの。大きさは5mm~8mm位のほぼ球形で、一か所がへこんでいる。ピンク色をして、全体に産毛が密生している。
元はクヌギの葉に付いているものだが、この時期になると自然に落下するらしい。虫こぶはいつまでも葉っぱにくっついているイメージがあるが、このタマバチの仲間の虫こぶは落下する性質があるのだろうか。そして、葉っぱから外れることでどのようなメリットがあるのだろうか。気になる。

一つを割ってみると、中から幼虫が出てきた。丸まっていてよく分からないが、体長は3mmくらいのようだ。


慎重に割ったら、今度は繭と思われるものが出てきた。これも大きさは3mm程度。中には幼虫が入っているのだろう。随分と硬質で、しかしみずみずしさのある繭である。恐らく、タマバチの幼虫が自ら作り出したのではなく、虫こぶの組織の一部なのではないかと思う。

いくつかを容器に保管してみた。果たして、うまく羽化してくれるのだろうか。



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