2014年5月19日月曜日

大阪淀川でスゲを見る

5月17日

用事があって大阪を訪れることとなった。折角なので、淀川沿いで植物観察を行うことにした。
お目当ては勿論(?)、日本では淀川と熊本でしか自生が確認されていないワンドスゲCarex argyiである。国外では中国に分布。

スゲ属を含むカヤツリグサ科はイネ科などと並ぶ”地味”な草であると思う。自分もしっかりと観察を始めたのは大学の研究で植物を扱うようになってからのことで、それまではほとんど関心を持ったことがなかった。
地味でどれも似通った見た目の植物、というイメージが強かったスゲ属だったが、観察を続けるうちに種ごとの特徴が見えてきて、なかなか面白いと思えるようになってきた。





淀川下流域にはワンドと呼ばれる池が連なって存在する。これらワンドの地形は自然のものではなく、明治時代の河川改修工事で設置された「水制」と呼ばれる構造物に由来するそうだ。
人の手により形成されたワンドであるが、河川本流とは異なる止水環境として貴重な存在であり、現在ではイタセンパラという希少な魚を始めとする様々な生物の住処となっている。


水際の植物をひたすら見て回る。

これはカサスゲCarex dispalata
アゼナルコCarex dimorpholepis

水田や河川敷などでよく見かける大型スゲ。
涼しげに花序が垂れる。

ヤガミスゲCarex maackii。(周りの葉は別種)


ミコシガヤCarex neurocarpa

ヤガミスゲに似るが、花序に苞葉と呼ばれる葉が目立ち、全体が柔らかい。













様々なスゲ属の草本を始めとする植物たちに出会ったが、肝心のワンドスゲは一向に見つからない。あきらめて帰ろうと思っていたところ、偶然イタセンパラの調査をされている方にお会いした。ワンドスゲのことをお聞きすると、図を交えて丁寧に自生場所を教えてくださった。
お礼を言い、教わったポイントに向かう。

到着。

早速それらしきものを見つけた。
特徴からワンドスゲであることを確認。

ワンドスゲCarex argyi

一見カサスゲにも似ているが、葉はより細く草丈は低い。また雄花序が複数本あり淡色であることなどから見分けられる。

株数自体はかなり多く見えたが、花序はまばらにしか付けていなかった。たまたま少ない年だったのか、それとも元々の性質なのだろうか。








イタセンパラの調査をされていた方によれば、ワンドスゲは淀川において幅10m足らずのこの場所でしか確認されていないという。

ワンドスゲのかつての自生状況を知らないので、減少してこの場所のみに残ったのか、それとも元々この狭い範囲でしか生えていなかったのかは分からない。
日本の大阪(淀川)と熊本、それから中国という局所的な分布パターンから、日本のものは過去の交易等で中国から偶発的に持ち込まれた古い時代の帰化植物、もしくは渡り鳥にくっ付いて運ばれたのではないだろうか、と思ったりする。



<参考>
・日本のスゲ 勝山輝男 著, 文一総合出版, 2005年12月31日 初版第一刷発行
・淀川河川事務所 淀川のわんど
http://www.yodogawa.kkr.mlit.go.jp/know/nature/wando/(2014年5月19日現在)



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2014年5月6日火曜日

カヤランの花粉塊と自家受粉

4月11日 開花始め
今年の3月に栃木県のとある寺院で拾ったカヤランThrixspermum japonicum が先日開花した。
境内には今年2月の大雪で折れたスギの枝が散乱し、それらと一緒に数多くのカヤランも落下していたのである。

着生ランはセッコクをはじめ観賞価値が高いものが多く、しばしば園芸用に採取され、それが減少の一要因であるとされる。
樹上に着生したランを根こそぎはぎ取るのは断じて許されることではないが、一方で、大雪や強風によって樹上から自然に落下することも時にある。地面に落下した着生ランは環境の違いや捕食者の存在により長くは生きられず、枯死する運命にあるといえる。

「枯れゆく運命にあった着生ランを助けてあげた」というのはさすがに傲慢な気がする(そもそも、カヤランは継続栽培が相当難しいそうだ)が、少なくとも拾うという行為が自生地の個体群へ与える影響はまずないと考えられる。



4月21日 開花ピーク
折角拾ったのだから、自生地では観察できない細部を見てみることにした。

花は径1cm強、日中に嗅いだ限りでは香りは感じられなかった。

ラン科の花は3枚の花弁(側花弁2枚と唇弁1枚)と、3枚のガク片からなり、6枚の花ビラで構成されているように見える。
この写真のカヤランの場合、真横に細長く伸びる2枚が側花弁、真ん中の赤い筋が入っているのが唇弁、斜め上と真下に伸びているのがガク片である。
また、唇弁の内側の白っぽいものがずい柱である。ずい柱はラン科などに見られるもので、雄しべと雌しべが合わさったものである。


花粉塊を取りだしてみた。

左上の小枝の先に付いているのが花粉塊である。大きさは2mmに満たないごく小さなものであった。右下の三日月型のものは葯帽といって、花粉塊がずい柱に付いていた際に上に被さっていたもの。



花粉媒介者を考えてみる。
・香りがなく鮮やかな黄色の花色から、主に視覚で花を探す昆虫であると思われる。
・花はぶら下がって咲き、いわば地面に向かって花を開いているから、下向きの花につかまることのできる昆虫が適していそう。
・花粉塊は葯帽が外れないと付かず、花の中にある程度押し入る昆虫でないといけないと思われる。口吻を伸ばして蜜を吸うチョウや蛾は厳しい?
・花に合った体サイズの昆虫。

小型のハナバチやハナアブ類がこれに相当するのかな、と思ったりするが分からない。実際に野外で訪花する昆虫を観察したいものだ。



5月6日
受粉も行ってみた。同じ株で開花した花粉を用いたので自家受粉である。

結果、4つの花で受粉に成功して子房がふくらみ始めた。
受粉作業を行ったのは5、6個の花なのでそれなりに結実率はよいようだ。また、今後も順調に成熟してくれるか分からないが、自家受粉も可能なようである。

栽培困難種とも言われるカヤラン。植物の栽培がそれほど得意でない僕にとって手に負えるものかは未知数だが、果実の成熟を含めてなるべく長く観察できるよう頑張りたいところだ。



<参考>
・山に咲く花 写真/永田芳男 編・解説/畔上能力 山と渓谷社 2008年4版第6刷
・YList植物名検索 http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/ylist_main.html(2014年5月6日現在)



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広島市のイヌノフグリ事情

今年の3月に、日本生態学会の大会に参加するために広島市を訪れた。


朝、宿から会場へ向かう途中。
歩道脇のわずかな隙間にコケと共に草が生えていることに気がついた。
生育していたのはツメクサ(もっとも、市街地のツメクサは実はハマツメクサのこともあるらしいのだが)、外来種のマメカミツレ、そしてオオイヌノフグリに似た種類の分からない草本。

オオイヌノフグリに似ているものの、光沢のある無毛で肉厚の葉やピンク色のつぼみなど明らかに違う特徴を持っていた。この仲間でピンクの花を咲かせるのは在来種のイヌノフグリである。しかし、環境省のRDBで絶滅危惧Ⅱ類に指定されるイヌノフグリが都会のど真ん中に生えているものだろうか、と疑問に思い、標本を取った。


その日の昼頃、信号待ちをしていたところポールの根元に再びその草を見つけた。

日が当たっていたためだろう、ここでは開花していた。
オオイヌノフグリと比較して二周りほど小さな愛らしい花である。

その後、採取した標本を研究室の先輩にお見せしたり、自分でも図鑑を調べたりしてイヌノフグリVeronica polita var. lilacina であることを確認した。

フラサバソウVeronica hederifolia







日本で見られるイヌノフグリの仲間、つまりクワガタソウ属(Veronica)には多くの種類があるが、平野部でいわゆる雑草として見かける機会が多いものとしてはオオイヌノフグリの他にタチイヌノフグリ、フラサバソウがあり、いずれも帰化植物である。
そのうち、市街地(主に広島駅~平和記念公園周辺)において、僕が歩いた範囲ではタチイヌノフグリとフラサバソウは比較的多く、時にイヌノフグリと混生していたが、オオイヌノフグリは全くと言っていいほど見当たらなかった。


2日後。

植物観察のために研究室のメンバーと広島市北部を訪れた。
森林や畑が多く残る郊外で、市街地よりも自然豊かに見える場所。しかし、こちらではイヌノフグリは全く見られず、かわってオオイヌノフグリとフラサバソウの天下となっていた。





全国的に見てイヌノフグリは減少傾向にある種で、環境省のRDBでは絶滅危惧Ⅱ類、都道府県単位では36都府県で絶滅危惧種の指定を受けている。
一方で、広島県では絶滅危惧指定を受けておらず、広島市でも希少種扱いは受けていない。「広島市の生物-まもりたい生命の営み-(2004年)」には”市内に広くみられ、近年とくに変化はない”とあり、全国的には稀少となったイヌノフグリが広島市では大幅に減少することなく生き続けているようだ。

市街地のど真ん中で絶滅危惧種のイヌノフグリが出現したことに違和感を覚え、ひょっとして外来系統なのでは、とも疑ったが、この報告を見る限りは昔から残ってきた個体群と考えてよさそうだ。


イヌノフグリの現状や帰化種との関係について高倉ら(2011)の報告がある。
近畿や瀬戸内地域で主に研究をされているようだが、それによればイヌノフグリはかつては道端などにも出現したが、現在では石垣環境にやや選択的に生育するという。一方、オオイヌノフグリが生育しない島嶼では今でもイヌノフグリが地面に普通に生育するという。
また、オオイヌノフグリの花粉をイヌノフグリに付ける実験を行ったところイヌノフグリの種子形成が低下したが、逆の実験を行ってもオオイヌノフグリの種子形成は影響を受けなかったことから、オオイヌノフグリが一方的にイヌノフグリの繁殖に悪影響を与える可能性があるという。かつては広く分布していたイヌノフグリは外来のオオイヌノフグリに繁殖を邪魔されるなどして数を減らし、オオイヌノフグリの生育しづらい石垣などに生える個体群だけが生き残ったと考えられるそうだ。


広島市のイヌノフグリに話を戻す。

今回、イヌノフグリが生えていたのは石垣ではなく、一見何の変哲もない道端のわずかな地面だった。石垣同様に土壌に乏しいことがイヌノフグリにとって好適で、一方オオイヌノフグリには厳しい環境ということなのだろうか。詳しいことは分からないが、帰化種のタチイヌノフグリやフラサバソウが生育していたことから、オオイヌノフグリのタネだけが侵入できていない、ということは考えにくく、何らかの環境要因が関わっているのだと思う。
また、市街地は郊外と比べて古くに開発されて、現在は比較的安定した土地であることも影響しているかもしれない。


タチイヌノフグリなど他の帰化種から何らかの影響を今後受ける可能性は否定できないが、現状が維持される限りイヌノフグリはしばらく安泰と考えてよさそうだ。都市部は単なる自然の少ないコンクリートジャングルではなく、時に希少な生物の住処として機能する環境でもあるといえる。
一方、郊外に出てみればオオイヌノフグリが優勢であり、少しでも環境が変化すれば一気にオオイヌノフグリが広がる可能性も考えられる。仮に大規模な再開発が行われた時に、市街地がイヌノフグリの生育地として今まで通りに機能し続けるのかは疑問である。

大都市の一角にも、時に貴重な生き物が住んでいることに注目してもらえたら、と思う。




※今回の記事で市街地としたのは広島市中区の広島駅~平和記念公園周辺、郊外としたのは安佐南区~安佐北区です。正確な区分ではないのでご了承ください。



<参考・引用>
・神奈川県植物誌20011. 神奈川県植物誌調査会編. 神奈川県立生命の星・地球博物館発行. 2001年7月20日発行.
・広島市の生物-まもりたい生命の営み-. 広島市環境局環境企画課. 2004年3月発行.
・野に咲く花. 林弥栄監修・平野隆久写真. 山と渓谷社. 1989年10月1日 1刷発行、2008年7月1日 20刷発行.
・イヌノフグリの”多型”-石垣環境への適応と種子散布者との関係-. 高倉耕一・西田佐知子・西田隆義. 2011年. 日本生態学会関東地区会会報第59号.








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2014年4月14日月曜日

乾燥ミズゴケに見る南米チリの植物たち その②

その①に引き続きチリ産乾燥ミズゴケに混入していた植物について。

その前に①で書き直した点。
樹木sp.1→Luma chewuen?に変更。
樹木sp.2→sp.1に変更。
種同定について全く自信はないのですが、葉の形状が類似していること、葉裏に黒っぽい腺点があるという特徴からひとまず本種としておきます。



では、新たな種について。

Uncinia sp.

カギ針状の雌しべ?が特徴的。
最初は科名すら分からなかったが、どうやらUnicinia属の一種らしい。






カヤツリグサ科の一属で、南米やオーストラリア、ニュージーランドなどに分布。ナンキョクブナに似た分布域を持つようだ。

日本では見られない属。




チランジア(エアープランツ)をミニチュアにしたような姿。

南米にはチランジアなどのパイナップル科の植物が分布するからその一つかもしれないが、単に葉っぱが折れて根元だけ残った植物にも見える。
Pinus radiata
(ラジアータマツ?)

最初はイネ科などの草かと思ったが、どうやらマツの葉っぱらしい。







チリにはマツ属の樹木は分布しないが、Pinus radiataが広く植栽されているという。
Pinus radiataは3葉マツ(3枚の松葉が一か所から出る)で、今回見つけたものも3枚目の葉が取れたような痕があったから本種と考えた。




次はシダ。

シダsp. 1

日本のチャセンシダなどに少し似た雰囲気を持ったシダ。葉柄が随分と長いようだ。葉がどれも途中で折れていたため。全形がどのようなものかは分からない。


拡大。

胞子のう群は見られなかった。


シダsp. 2

①で紹介したJuncus sp. 1と並んで多く混入しており、湿地において主要な種であったと考えられた。

シダsp. 1以上にボロボロになっており、葉の全体像を読み取ることができなかった。


拡大。

この破片を見る限り、単葉(一枚葉)でなく複葉(小さな葉が集まっている)であることがうかがえる。

もう一枚拡大。

上と下の葉が同じ種類のものなのかは正直なところよく分からず、シダsp. 2に複数種が含まれている可能性もある。

こちらも胞子のう群は見当たらず。


シダsp. 3 (胞子葉?)

多くのシダは、葉裏に胞子を入れる胞子のうを付けるが、胞子をつける胞子葉と、光合成を行う栄養葉と、2種類の葉を持つ種も少なからずある。




シダsp. 3は葉脈が不明瞭で、また他のシダと比較して不自然にボロボロとなっており、胞子葉であると考えられた。

そのため、sp. 1やsp. 2とは別種としたものの、どちらかの胞子葉であった可能性も大いにありそうだ。

(参考) オオハナワラビの栄養葉と胞子葉

下についているシダの葉っぱらしい形のものが栄養葉、直立して黄緑色をしているのが胞子葉である。


シダの新芽(シダsp. 4?)

ゼンマイ状に丸まったシダの新芽も見つかった。sp. 1~3と別種なのか、いずれかの種の新芽なのかは分からない。



コケsp. 1(左)、sp. 2(右) (蘚類)

スギゴケなどに似たコケも混入していた。ミズゴケも同じ蘚類に属するが、それとは異なる種であった。


コケsp. 3 (苔類)

日本のウロコゴケなどを彷彿とさせる苔類と思われるコケ。

地衣類sp.

小枝についていた。日本でも樹木に着生するサルオガセなどの地衣類があるがそれに近いものだろうか。

ちなみに小枝そのものが今まで出てきた種と一致するのか、しないのかは分からない。




最後に

主役であるミズゴケ。








今回の観察で、ミズゴケを含めて15~17種の植物を見つけることができた。念入りに選り分けたわけではないので、見逃してしまった種もいくつかあるかもしれない。


数百円の買い物で、思いがけず地球の反対側の植物を見ることができてなかなかに面白かった。ちょっとした海外旅行の気分である(笑)。
チリを始め、海外の植物の自生する姿を見てみたいという気持ちが強くなった。






参考
・Wikipedia日本語版 ラジアータパイン http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%82%B8%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%91%E3%82%A4%E3%83%B3(2014年4月13日現在)
・Chileflora http://www.chileflora.com/(2014年4月12日現在)





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2014年4月13日日曜日

乾燥水苔に見る南米チリの植物たち その①


着生ランなどの栽培のためにホームセンターで乾燥ミズゴケを購入した。 産地は南米のチリ。






乾燥ミズゴケには、しばしばミズゴケではない植物の枝葉が混入している。 それらは園芸家から見ればただの「ゴミ」であるわけだが、考えてみれば地球の裏側の植物の乾燥標本が手元に届いているようなもので、なかなかに興味深い。

何年か前に、ちりめんじゃこの中のシラス(イワシの子供)以外の小魚やカニの幼生といった「チリモン(チリメンモンスター)」が話題となった。ミズゴケ中の植物たちはいわばミズゴケ版チリモン「ミズゴケモンスター(コケモン?)」といったところか。


ミズゴケには植物だけでなく時に虫なども混じっているようで、検索したところミズゴケに混入した南半球産のカメムシについて紹介されているブログがあった。(害虫屋の雑記帳:園芸店で南半球のカメムシを買う http://homeservice.blog.ocn.ne.jp/gaityuya/2014/02/post_e185.html 2014年4月12日現在)
こちらの虫の方が植物よりも「コケモン」にふさわしいかもしれない。





それでは僕が見た植物たちについて。


ミズゴケから選り分けた植物の枝葉など。
ミズゴケは1袋150gだった。

乾燥して丸まったりもろくなったりしていたので、ぬるま湯で戻してから判別を試みた。




まずは木本と思われるものから。



ナンキョクブナの一種

葉の長さ1.5~3cm、幅1~1.5cm、葉柄0.3~0.5cm。葉はかなり硬質で、常緑の可能性が高そう。





ナンキョクブナは主に南半球に見られるナンキョクブナ科の木本で、そのうちチリには10種類のナンキョクブナ属Nothofagusが分布するらしい。
絵合わせから、今回のものはNothofagus nitida、もしくはN. dombeyiではないかと思ったが自信はない。




Luma chewuen

葉の長さ1.2~2cm、幅0.8~1.2cm、葉柄0.2~0.3cm。葉はやや分厚いが硬くはない。葉裏に黒い斑点が多くあったが、元々の特徴かは不明。



日本のツゲに何となく似た雰囲気。Luma chewuenには葉裏に黒い斑点(腺点)が散在するようで、形状も似ていることからとりあえず本種とした。




樹木sp. 1

葉の長さ0.5~1cm、幅0.3~0.5cm、葉柄0.1cm。茎(地下茎?)は長く、ミズゴケ中にもぐり込んでいた。





見当が付かず。
ミズゴケの中を這うように伸びて生活している小低木、もしくは草本と考えられた。日本の植物で例えると、やはりミズゴケ湿地などで這って生育するツルコケモモなどに近い存在だろうか。
 
 

樹木sp.2の葉の拡大。

随分と肉厚の葉で、葉裏の主脈が突き出す。
葉の表はボツボツとへこんでいる。



イグサ属の一種① Juncus sp.1

日本でも湿地においていくつかのイグサ属Juncusの草本が生育するが、本種も同属と
思われる。ただし種類は分からず。



日本のイグサと比べて随分と茎が太く、大型の種と思われた。ミズゴケ中には大量の木の枝のようなものが混入していたが、そのほとんどが本種であるようだった。

ミズゴケを採取する湿地においてかなり重要な種であるのかもしれない。

 
 

イグサ属の一種①の果実部分の拡大。

日本のイグサ属では、果実の形態が種判別の重要なカギとなることがある。今回見つけた種も、果実形態などをもとに種同定が可能なのかもしれないが、今回はそこまで力は及ばず。


イグサ属の一種② Juncus sp.2

前述のイグサ属①と比較してはるかに華奢な草体で、花序もまばら。

そもそもイグサ科すら自信がない。ひとまずイグサ属の一種としているが、カヤツリグサ科かもしれない・・・。


イグサ属の一種②の果実部分の拡大

状態が悪く、種判別はおろかイグサ属なのかすら僕には確証が持てなかった。





他にもいくつかの植物が見つかりましたが、長くなるので続きは別記事にて。


参考ホームページ

・Chileflora http://www.chileflora.com/index.html (2014年4月12日現在)

・Wikipedia英語版 Nothofagus http://en.wikipedia.org/wiki/Nothofagus  (2014年4月12日現在)

・害虫屋の雑記帳 http://homeservice.blog.ocn.ne.jp/gaityuya/ (2014年4月12日現在)







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2014年4月12日土曜日

4月11日 武庫川沿いの野草

4月から兵庫県のとある大学の院に通うことになりました。こちらに越してきてから初めての更新となります。


家の近くを流れるのが武庫川。
川岸の一角に池状によどんだ場所があり、草が生い茂って周囲と異なる雰囲気であったので少し観察してみることにした。







見つけた花をいくつか。

オオカワヂシャVeronica anagallis-aquatica

ヨーロッパ~アジア原産の帰化植物。
クレソンの名で知られるオランダガラシと一緒に繁茂していた。
特定外来生物に指定され、近年問題視されている草でもある。

有名なオオイヌノフグリと同属で、それに似た花を穂状に咲かせてなかなか美しい。









アゼスゲCarex thunbergii

卒論の調査地(青森)でも何度か出現した。






ハルガヤAnthoxanthum odoratum

ヨーロッパ原産の帰化植物。

カンサイタンポポTaraxacum japonicum

セイヨウタンポポも混生していたが、この場所では在来のカンサイタンポポの方が優勢だった。

実家の辺りで見かけるカントウタンポポより全体に華奢で色も淡い印象。




の拡大。

総苞片(ガクのように見える部分)の先端(赤っぽく色づいている部分)に角状突起が無い、もしくはあってもごく小さいのが特徴。

トウカイタンポポ(ヒロハタンポポ)では角状突起がよく発達し、カントウタンポポでも小さい突起が付くそうだ。
(野に咲く花 山と渓谷社 参考)

















カスマグサVicia tetrasperma

カラスノエンドウとスズメノエンドウの中間のような植物だということで、「(ラスノエンドウ」と「(ズメノエンドウ」の「間()」の「グサ(クサ)」と名付けられたそうだ。
この場所ではカラスノエンドウとスズメノエンドウも生えていた。

カスマグサは関東にも分布しているが、僕自身は京都、鹿児島、兵庫でしか見たことがないため西日本や暖地に多い草、というイメージを持っている。実際はどうなのだろう。

カスマグサの花は、その大きさの割に非常に長い柄の先に付く。 そのため、カメラのピントが合わせづらく、さらに風でゆらゆら動くためにブレが起きやすいから撮影にはいつも苦労する。

スズメノエンドウも同様に花柄が長いが、カスマグサよりはがっしりしたイメージ。またカラスノエンドウの花は葉の付け根に咲く。

一見ムダにも見えてしまうヒョロッと長いカスマグサの花柄であるが、何のためにあるのだろうか。送粉昆虫との関係が気になるところである。





未開花だったり成長途中だったりで、種同定に不安が残る種も多かった。日をおいて再び観察しようと思う。


上記含め開花を確認した植物(記録した順)
ヒメオドリコソウ、ムラサキサギゴケ、ノミノフスマ、アゼスゲ、ハルガヤ、オランダミミナグサ、カスマグサ、カラスノエンドウ、オランダガラシ、コウガイゼキショウ?、キュウリグサ、オヘビイチゴ、コハコベ、コメツブツメクサ、ノヂシャ、アブラナsp、スズメノエンドウ、タネツケバナ(結実あり)、オオカワヂシャ、スイバ?、ナズナ(結実あり)、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、アリアケスミレ?、カンサイタンポポ、セイヨウタンポポ、スズメノヤリ、アオスゲ(結実あり)、ヒメウズ、スズメノテッポウ、オニウシノケグサ?、コオニタビラコ、ホトケノザ


参考
・山渓ハンディ図鑑1 野に咲く花 監修/林弥栄 写真/平野隆久
山と渓谷社 2008年7月1日 20刷発行

・日本帰化植物写真図鑑 編・著 清水矩宏/森田弘彦/廣田伸七
全国農村教育協会 2001年7月26日 第1刷発行

引用(学名)
・BGPlants http://bean.bio.chiba-u.jp/bgplants/index.html (2014年4月12日現在)



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